日本各地にその土地、土地にヒーローがいるらしい。宮崎の場合は“ヒムカイザー”というヒーローである。分かりやすく言うと鉄腕アトム、鉄人28号、ウルトラマンというような悪に立ち向かうヒーローが日本各地にいるということだ。私は全然知らなかったが、宮崎のヒムカイザーの人気は全国で2021年の第1回ご当地ヒーロー都道府県ランキング1位になったこともある。宮崎に居ながら知らなかった自分が恥ずかしい。
今回は宮崎を盛り上げようと門川町の肝いりでヒムカイザーの映画を製作することになった。その映画には素人も参加できるということでそれに応募した人は何と225名。そのオーディションが宮崎市内のアミュプラザのステージで行われることになった。私の孫娘も将来のスターを夢見て出場することになった。といってもまだ小学1年生。参加した中では最年少。出場した多くは孫よりも年年齢が上で、色々なオーディションを経験したことがあるような出場者ばかりである。
まず一人ずつ自己紹介がある。自分でアピールをする絶好のチャンスである。孫娘は自分の名前を述べた後に「ベルーガ(白イルカ)の鳴き声をします」と突然ベルーガの鳴き真似をした。それは初めて効く鳴き声で会場が一瞬静まり返った。他にそんな出し物をした子はいなかった。その後セリフを言うのだがこれはやはり素人。その時点でもう落ちると思った。最後に合格者の発表があったが、ベルーガの鳴き声が審査員には印象に残っていたのか合格した。良かったと胸を撫で下ろした。
しかしそれからが大変だった。撮影場所は門川町。宮崎から北へ60kmくらいの所。高速道路を使っても1時間はかかる。まだ小さいので娘が朝早く車で送って撮影中は1日中ついていないといけない。帰りはもう真っ暗になってから、夜9時過ぎることもあった。そんな大変さもあったがようやく映画が完成した。
どんな内容なのかは知らされていない。因みに“天尊降臨ヒムカイザー”は宮崎県高千穂に残る天孫降臨伝説の日向神話をモチーフにしているヒーローである。是非ともご覧下さい。
セントラルシネマ宮崎8月18日(金)公開。