私はジーンズが大好きだ。仕事が終わると一日中ずっとジーンズを履いている。ジーンズを履き始めたのは25歳位の時からだ。年代でいうと1975年(昭和50年)位である。それまでは白や紺色の綿パンだった。当時まだジーンズをあまり取り扱っていなかった。ところがその時代からジーンズが流行り始めた。元々はアメリカの炭鉱夫などが激しい動きをしても破れないものが欲しいということで生まれたのである。アメリカでは第二次世界大戦後に若者がジーンズを履き始めたのが流行するきっかけとなった。

 私も大学を卒業した位にジーンズに出会いその虜になった。当時はジーンズと言わずGパンと言っていた。今でもつい若い人に「このGパンがかっこいいでしょう」と言うと「それはジーンズと言うものですよ」と訂正される。そこで「いや、あなた達が履いているのはジーンズ。私みたいなジジーが履いているのはG(爺)パンなんだよ」と言い訳をする。

 ジーンズは丈夫で破れないという上に地面などに座っても良いというのが一つのファッションになり、それで爆発的に流行したのだ。今や殆どの若者がジーンズを2、3本は持っているだろう。それをTPOに合わせて着こなすのだ。

 私もGパン、いやジーンズは5、6本持っている。全て伸びるジーンズで履きやすいのである。しかも最近のものはベルトレスでも履けるようにベルト代わりの紐がついているので便利だ。50年前のジーンズは伸びずにゴワゴワしたものばかりで動きにくかった。しかもベルトが必要だった。だから何本も幅広いベルトが必要だった。

 しかしどんなに丈夫に作ってあるジーンズも何年も履いていると綻びて穴が開いてくる。小さな綻びだったのが洗濯するうちにみっともない位破れてくる。普通だったらもう捨てるのだろうが、私の場合パッチをその上に貼り、その綻びを隠している。そのパッチは100円ショップで売っているので安上がりだ。しかもアイロンをかけるとピタッとくっつくのである。

 その事情を知らない人はそれを見て「とてもおしゃれですね」と褒めてくれる。しかしただの綻びあてなのである。でもそのネタをばらさずに「そうでしょ。このパッチの柄、最近流行っているらしいよ」と平気で嘘をつく。綻びを隠す為に貼ったとはとても恥ずかしくて言えないからだ。しかも100円ショップで私が選んで買ったパッチとは口が裂けても言えない。