先日アートセンターで『目で味わうアート展』が開催されていた。それは食品サンプルメーカーが樹脂で制作した食品サンプルをアレンジして、色々なユーモア溢れるものに変身したものである。考えもつかないアイデアの作品で観る人を楽しませる。
例えばポテトチップスの作品。それを見ると見た目は恐竜なのだが、よく見るとポテトチップスの一欠片が繋がって恐竜になっている。それを見ているとついビールが飲みたくなる。しかしよく一つ一つポテトチップスのピースを組み立てて作ったものだと感心する。ステーキの鉄板の上に載っているのは美味しそうなステーキで何の変哲もない。よく見るとその中にQRコードが打ち込んである。ついクスっと笑ってしまう。
又壁に取り付けられた大きなお皿からミートスパゲティがこぼれそうになっていて、その下に立つとスパゲティが頭の上から落ちてくるような仕掛になっている。来客した人も写真をそこで一緒に撮れるようになっている。その他にもカンナでバナナを削ったり、スイカ割りの棒がバナナ(そんなバナナ)だったり、マスクメロンがバイクのヘルメットに変身していたり、ソフトクリームがピカチュー風になっていたり、ステーキがサンダルになっていたり、ダジャレで壁にエビ丼が貼り付けてあり、その横に手形が押してあり『壁丼』というのがあったり、スニーカーの柄がピザで出来ていたり、1mもあるかと思われるような串に刺さっているハンバーガーが飾ってあったり、サラダの中からキュウリで出来たゴジラが出てきたりなど約100点が展示されていた。
日本の食品サンプル技術の凄さは世界一だという。外国でもレストランの店頭には日本製の食品サンプルがたくさん飾ってあるらしい。いわゆるこの精巧な品物はMADE IN JAPANとしてのプライドを持って作っているのだろう。暗い話題が続く中、ほんのちょっとだったが心が温かくなった展覧会だった。