お年玉付きの年賀ハガキは1949年(昭和24年)に初めて1億8千万枚発行された。1973年(昭和48年)には20億枚を超え、2003年(平成15年)には44億6千万枚も発行された。ところが今やSNSの時代。スマホで年賀の挨拶をする人達が増え、今年は16億4千万枚に留まっている。

 さて今回も昨年の10月から年賀状作りに取りかかることにした。今まで多い時は1000枚以上出していたのだが、今年は350枚。それでも一枚一枚手作りなので時間がかかる。

 まずデザインを考えなくてはならない。毎年年賀状の見本が載っている本を購入する。それをパラパラと捲りながらデザインを決める。その本に載っているデザインをそのまま利用することはない。それを自分流にアレンジするのだ。デザインが決まったらまず試作品をいくつか作る。それを従業員に選んでもらうのだ。何回もNGが出ることもある。だが今年は一発OKであった。

 まずリップルボードという段ボールのような凹凸のある紙を買ってきてそれを切り抜く。それにバックの色を決める。今年はめでたい色にしたかったので赤系である。それも何種類も色見本を見せてもらい、比較して決定するのだ。その後リップルボードを従業員に切ってもらう。それに“HAPPY NEW YEAR、2023、JIRO”という白抜きのところを何種類もの色鉛筆で丁寧に塗っていく。そして銀ペンで雪降らしすると完成である。私にとって年賀状は一人一人に出す美術館に飾ってある絵画のようなつもりなのである。

 このようなリップルボードを使った年賀状を出すようになって20年近くなった。手の込んだ年賀状なので楽しみにしている方も多い。毎年それを部屋の壁に飾っているという方もおられる。年賀状を出した人と会うと「今年も素晴らしい年賀状をありがとう」と言われる。余程インパクトが強いのだと思う。その時ふと思った。絵の展覧会は会場まで足を運んでもらわなければならない。しかしこの年賀状は各家庭に配られることになる。それは自分の作品を各家庭に届けてもらえるということになる。しかも64円という郵送料だけで済むのである。

 つまり私の手作り作品による発表会の場になっているのだ。今年はQRコードをつけ、私のブログ、エッセイなどが自由に読めるようにした。年賀状一枚一枚に自分の魂を刷り込んであるのだ。年賀状を出す人が減った今だからこそ、手作りのものを貰ったらほっこりする年賀状を届けたいと頑張っている。