先日急ぎの手紙があったので、中央郵便局までハガキを出しに行った。入口に郵便ポストがありそこに投函した。たまたまそこを通りかかった郵便局員の人が小さな声で「ありがとうございます」。誰にそう言われたのか分からないのでキョロキョロ見回した。すると私しかいないので私に言ったのは間違いない。

 それはつまり「郵便局を利用していただいてありがとうございます」ということだと思う。最近は郵便配達も土日休みで、連休になるとハガキ1枚が1週間も届くまでかかるということをニュースでやっていた。それにちょっと腹が立っていたので、特に何かその一言が新鮮で明るい気持ちさせられた。

 ある日回転寿司店に行った。最近は外で食べる人が減り、あれほどいつも行列待ちをしていた店も待ち時間なく入れる。入って早速注文した。地獲れの魚、トロ、軍艦、サーモンなど色々頼んだ。気が付けばお皿が10枚以上にもなった。

 その回転寿司では其々値段が違い、その値段によって皿の色が違うのである。会計はその皿の色を店員の人が確認して伝票を渡してくれることになっている。ふと机の上を見ると「出来れば各色に分けて重ねて頂くと有難いです」と書いてあるので、食べ終わったお皿を色別に重ね「ご愛想を」と言った。

 店員が会計に来られ開口一番「お皿の色分けにご協力ありがとうございます」と言われた。こちらとしては会計する店員が素早く計算できるようにという当り前のことをしただけなのに、何か心がホッとした気持ちになる。

 トンカツを食べたくなってトンカツ屋に入った。美味しくて安いと評判の店である。そこのメニューの下にはこう書いてある。「金額が端数の場合はそれを切り捨ててお会計します」。つまり1258円だったら1255円しかいただきませんということである。確かに定価に消費税が付くと1円単位になることが多い。スーパーで現金で買物をすると必ず1円玉が入ったおつりを手渡される。それは当たり前のことだが、何軒も買物すると財布は1円玉だらけになって嵩張ってしまう。そういうことがないような心遣いだろう。

 そんな心遣いを色々されると、何かギスギスした気持ちがほっこりとする。こういうことが続くと、何となく心も丸くなり毎日の生活が楽しくなるような気がする。自分もそういう風な人になるように色々と気を配ろう。