最近TVでやたらと料理の番組が多い。色々な名店を巡りタレントが味比べをする。実に色々な料理があるものだと感心する。その土地でしか食べられないようなものも次々と出てくる。グルメな私にとってはたまらない番組である。

 肉一つとっても色々な産地の牛、豚、鶏があり、それも焼いたり、煮たり、ミンチにしたり、串刺しにしたり、生のまま食べたりする。日本には実にたくさんの料理のバリエーションがあるのだ。しかも日本は四季がはっきりしていて、その各々に季節の食べ物がある。それだけに色々なバリエーションの食べ物に溢れているので、外国から来た人にとって『食の国』と言われる所以であろう

 さて料理の説明が一通り終わると試食である。色々なタレント、女優や芸能人の方が味見をする。とても楽しそうに食べて申し合わせたように「めちゃくちゃ美味しい」というコメントを述べる。その時に気になることがある。それは箸の持ち方である。

 見ていると殆どの人が正しい箸の持ち方をしていない。食べ物を挟むというより何か突き刺すような握り方をしている。私はこの箸の持ち方の方が気になり、料理が目に入ってこない。

 若い人はきっと給食でフォーク、スプーンで食べる機会が多かったり、親から箸の持ち方の指導を充分受けていなかったりするからだと思う。勿論小さい頃から輪っかのついた箸などで練習しているのだろうが、それが徹底されていないのだろう。

 タレントのチャラい男が上手く箸を使えるだろうかと心配して見ていると、実に綺麗な箸の持ち方で食べていて、ただそれだけで本当はきちんとした人なのだと感心したり、有名な女優が見ていられないような箸の使い方をして「もの凄く美味しゅうございますわ」と言うのを見ると、もうその女優のドラマなど見たくなくなったりする。

 因みに私は世界一箸の持ち方が美しいを言ってもらいたいので、いつも箸の使い方には凄く気を遣う。父の日には毎年家内が箸をプレゼントしてくれる。人より手がバカデカイ私には普通サイズでは小さすぎるので、特大サイズを選んでくれる。だからこそ箸には気を遣うのだ。

 料理を食べるのに箸を上手に使えるというのは大切なことだ。娘にそう言うと不愉快な顔をして「料理って美味しければそれで良いんじゃないの!」。まだまだ修行が足りんと父親の私は言いたい。