以前スーパーで買物をしていると、お年寄りの女性がレジの店員に「すみません、このペットボトルのフタを緩めてくれませんか?」とお願いしている。『ペットボトルのフタ位自分で緩めれば良いのに…。何で店員なんかに頼むんだろう』とちょっと腹立たしく思った。何故ならペットボトルが5本もあったからだ。店員は嫌な顔もせず5本とも1本ずつフタを緩め、その後何事もなかったように私のカゴに入っている品物の会計を始めた。

 それから約10年。私が同じようなことに陥っている。先日2Lのペットボトルを買い求め、自分で開けようとした。しかし開かない。そんなはずはないだろうと力一杯開けると開いた。良かったと思った瞬間ペットボトルの口から水が飛び出し、びしょびしょになった。というのも最近はペットボトルを軽くしようと、ボトル自体がフニャフニャしているのだ。それで左手で力一杯ボトルを握り締めたので、フタが開いた瞬間水が飛び出したのである。

 しかし最近は普通の500mlのペットボトルさえ、余程気合を入れないと開かない。だから周りに誰かいる時は開けてもらうことがある。

 そういえば何年か前からは、ジャムなどの入った瓶のフタが開けられなくなった。顔を真っ赤にして開けようとするのだが開かない。2、3回トライするが頭に血が上るのではないかと思うと開けられない。そこで家内に開けてよと手渡すと、いとも簡単にパッと開く。体重は私の半分以下の40kgもない家内がいとも簡単に開けられるのだ。そういうのが続くとさすがに自信がなくなる。スーパーでもジャムみたいに瓶に入ったものを買いたくないのだ。それは家内がいとも簡単に開け、得意そうな顔をするのを見るのが嫌だからだ。

 そこで簡単に開けられるグッズはないか探してみた。どこにでもあるのはタオルである。これは思ったより簡単に開く。しかしそれでも開かない時の為に、フタを開けられるグッズを色々買い求めた。その中で一番優秀なのはロデオが使うロープ型をしたもので、これは強力な助っ人である。これなら私でも殆どのモノは開けられる。

 台所の引き出しを開けると、その他にも色々なグッズが入っている。食べ物を目の前にしてフタが開けられないのは、まるで犬が餌を貰う時に「待て!」と言われるのと同じである。フタが開かない時、私はきっと犬みたいにヨダレを垂らしているのだろう。想像するだけで不愉快になる。