1月2日、3日は、朝早くからTVのチャンネル権は家内が持っている。それは箱根駅伝を放映しているからだ。家内は大の駅伝好き。県別対抗駅伝、実業団駅伝、全国高校駅伝などがTVで放映されると、TVをつけながら洗濯や食事の準備をしている。

 その中でも箱根駅伝は別格らしい。箱根峠を超えてアップダウンが激しく、順位が目まぐるしく変わっていくからだ。第1走者が断トツの1位で第2走者にタスキを渡しても、その後どんどん追い抜かれ、ちょっと目を離していると7、8位位になっていて目が離せない。

 箱根駅伝が放映されている時、CM中ちょっとだけなら良いだろうとチャンネルを変えると、血相を変えて「何でチャンネルを変えるのよ!」と怒鳴られる。だから箱根駅伝放映中はリモコンに触ることはタブーなのだ。

 確かに1本のタスキを次の走者に渡すというのは、大変な責任がかかる。順位が変わらず渡せれば良いのだが、時に10人位に抜かれて順位を下げたランナーの申し訳なさと無念さを見ると胸に詰まるものがある。決して手を抜いて走った分けではない。たまたま体調が悪かったり、又は緊張し過ぎて実力を発揮出来なかったりしたのである。そこを又次のランナーがひたすらに前を追いかける。その姿が良いのだという。

 今年の箱根は天候も良く雪も積もらず、走るのにはベストコンディションだった。21人のランナーが一斉にスタートしていく。産婦人科医の私としては、そのスタートが生まれたばかりの赤ちゃんにどんな未来が待っているのだろうというのを連想させられる。人生のスタートと似ている気がするのだ。

 昨年は常勝の青山学院大学が優勝できなかった。今年はどうだろうと固唾をのんで見ていた。するとやはり実力者ばかり。どんどん飛ばし区間記録を次々と達成していく。気が付けばぶっちぎりの優勝となった。

 あっさりと優勝したように見えるが、その裏には監督とランナーの厳しいトレーニングがあったのだろう。

 1月3日夕方4時ようやく、TVのリモコンは解放され、家内はTVから解放された。これでこれから1年間は私のリモコンだとリモコンを強く握り締めた。