30年前位の夏、Tシャツを着て出かけようとしたところ、うちの従業員が「Tシャツをズボンの中に入れるのはダサイですよ。そんな恰好じゃ女の子に持てませんよ」と言う。そんなことはなかろうと思って出掛けると若者はみんなTシャツを外に出している。それはTシャツのみならず普通のシャツもそうだ。

 何だかだらしない恰好だなと思ったが、回りが殆どそうしているのでそうすることにした。それは民主主義の基本である多数決の原理に従ったということになる。しかしよく観察してみると、私と同じような年代の人は中に入れている。やはり今までの私の感覚と同じように、出しているとだらしなく見られるということが理由なのだろう。

 しかし私はその時からシャツは外に出すものだと意識改革した。それからは外へ出していても気にならなくなったし、夏は風通しが良くて涼しいので中に入れる気がしない。回りを見ても中に入れている人達は殆どいない。たまに中に入れている人を見かけると、肩を叩いて「シャツは中に入れない方がお洒落ですよ」と言いたくなる。

 ところが最近は『IN』つまりシャツを中に入れるのが流行っているらしい。流行りというよりそれが常識になりそうになっている。あれ程ダサイと思われていた『IN』が又復活したのだ。ある実験によると、『IN』することにより足が7cm位長く見えるという。その為に若者は競って『IN』しているという。

 一方我々のような中高年はお腹が出ているので、シャツを入れるのが大変だという理由で出している人が多いらしい。確かに街を歩いていると、体格の良い人は全て出していると言ってもいいくらいだ。中には前は入れ後ろは出すというスタイルの人もいる。これは洒落たベルトを見せながらお尻を隠すという意味があるという。

 驚いたのは、最近は1/4だけ出して3/4は入れるというファッションも流行り始めているという。今の人は人から格好よく見られる方を選ぶらしいが、私はやはりシャツ出しの方である。何故かって?それはこの方が私の体型では楽だからである。お洒落より実用性の方を選びたいのだ。多分中年のおっさん方はそう思っているはずだ。