年寄りの朝は早い。5時には起きている。冬の間はまだ真っ暗で何をしようかと考えているうちに夜が明ける。ところが今の季節は有難いことにもう5時にもなると東の空が明るくなってくる。そうなると外に出なくてはと思うのである。

 そこで愛犬ロキとの散歩に出かける。ロキは今年18歳になる。人間の年齢にすると90歳を超えている老犬で、私より先輩である。最近では歩くのもゆっくりで、私が引きづっていくように散歩に連れていく。あまり遠い距離は歩けないので、自宅の周りの道路300m位である。それが終わると私だけでウォーキングする。

 今の季節暑いのでショートパンツにTシャツ姿である。ウォーキングするコースは宮崎一の飲み屋街のニシタチ。家から50mいくとニシタチ。超近いのである。しかもビルが建ち並び、日が当たらないので涼しいのである。

 理由はその他にもある。それは新しくオープンした店を見つけることである。コロナの影響で150軒のお店が店を閉めるという。元々飲食業会は移り変わりが激しいのであるが、今はそれが急加速しているのだ。そこかしこでトンチンカンと工事をしている。その仕事が出来るのは早朝しかないので、ちょうどその現場に出くわすということになる。スナックだった所が居酒屋へ、居酒屋だった所がラーメン屋へとどんどん変わっていく。

 その様子を写メに撮って保存しておく。そうしないとあまりにも数が多く忘れてしまうからだ。そしてそれから数ヵ月経ち、下見をした店を訪ねることになる。実際今まで何軒もそうやって新しい店を開拓してきた。一晩で新規の店を1万円持って5軒回るというのも、そういう積み重ねで出来ていたのだ。

 さて、通り道にビジネスホテルがある。その道路沿いがガラス張りになっている。先日歩きながらそれをちらっとみると足の短いお腹が突き出ている男が映っている。何か冴えない男だなとよく見ると、何とそれは私ではないか。それはまるで出川哲郎が歩いているような姿である。足が短く、お腹が出て猫背でトコトコと歩いている冴えない姿だったのだ。今までは自分は颯爽と風を方で斬って歩いているつもりだったのが、紛れもないどこにでもいるおっさんだった。“穴があったら入りたい”。久しぶりにそんな気になった。