先日、夜中2時半頃に当直の看護師から電話がかかってきた。緊張した声で「すぐ来てください」。ちょうど寝入りの一番眠い時間だったので、1回深呼吸して駆けつけた。すると赤ちゃんの心音のグラフを見ると、赤ちゃんが元気なさそうだ。救急の帝王切開になるかもしれない。直ぐに救急車を呼び私も同乗して総合病院へ搬送した。

 着いた時は心音も正常に戻りほっと一安心。当直の先生に礼を言いながら外へ出た。病院から家までは歩いても10分位なので歩いて帰ることにした。するともの凄い土砂降りの雨である。しかも稲光が何回も光る。「雷が落ちませんように」と祈りながら歩きだした。

 傘は差しているのだが、手には大きな荷物を抱えている。だからどうしても横殴りの雨に打たれてしまう。ようやく自宅にたどり着くともう白衣もズボンもビショビショである。普通だったら、こんな夜中眠い時に起こされ、しかもビショビショになってしまって「あぁ、イヤだなぁ」と思うはずなのだが、逆に何か幸せホルモンのオキシトシンが溢れているのが分かる。一体何故だろう?と考えたら一つの結論に達した。

 それは赤ちゃんの命が守られたこと、コロナで職を失った人が沢山いるのに仕事があること、自分も少しは世の中の役にたっているという満足感からなのだろう。体は疲れているはずだが、久しぶりに味わう満足感だった。