新型コロナウイルスで外出自粛になり、外で飲んだり食べたりする機会がなくなってきた。それに伴い、食べる場所も減っていき、今やレストランや居酒屋の殆どが休業している。人が出ないので商売が成り立たないのだ。それだからといって店で雇っているアルバイトを辞めさせる訳にもいかない。又買入した食材は賞味期限があり使わなければならない。悩むところである。

 そこで苦肉の策として、昼に営業をしてテイクアウトすれば良いのではないかということで、どこもかしこもテイクアウトを始めた。今やインスタグラムなどでその店を紹介されるようになり、元気を取り戻しつつある店もある

 私は食べるのが好きなのでよく外食する。しかし今やそれも出来ないのでイライラしていた。すると先日宮崎のタウン誌“タンみや”にテイクアウトの店が紹介してあった。その中に私が知っている店が載っていた。そこに写真付きで『県産骨付き鶏肉をオーブンで焼き上げ、小林の水で仕込んだブイヨンで煮込む。さらに焼き上げたのち、オリーブオイルでソテーして仕上げたチキンはほろりとほどけるやわらかさ』という文章が載っていた。それを見てよだれが出た。そこで「こりゃ行かんといかん」と重い腰を上げることにした。(イヤ実は尻軽なのであるが…)。

 階段を上りその店に入ると、椅子は全てテーブルの上に片付けられ、灯りは消され人気はない。「こんにちはー」と言うと奥からマスターが出てきた。前に比べたら痩せた感じがする。「テイクアウト取りにきました」と声をかけると元気のない声で「少し冷たくなっていますので、ちょっと温めて下さい」と言われた。話を聞くとやはり大変そうである。「お互いコロナに負けないように」と声をかけながら別れた。

 帰り道の飲食店の店先にはテイクアウトの弁当がずらりと並んでいる。「テイクアウトいかがですか?」という店員の掛け声を横目に、今日買ったテイクアウトの弁当を大事に抱え、すり抜けて帰った。