開業して35年間、ずっと有線を利用してきた。それも3回線。院内に流れるのはその一つで、初めは12chしかなかった。それが今や500ch以上にもなっている。最初はモノラルで音も悪かったが、最近はデジタル放送で音響もかなり良い。

 院内では朝7時から9時までは小鳥のさえずり(夏は波の音)をかけている。今はカッコウの鳴き声が朝からかかっていて、春を告げている。9時からはBGM。これも曲の合間に小鳥の鳴き声が入っていて心を安らかにしてくれる。一昔前は夕方6時からはオルゴールや心を落ち着かせる音楽にしていたが、今は昼と同じBGMが夜9時までかかっている。

 電話の保留音はオルゴールなどが殆どだが、有線にしていた。これは電話がかかってきて、院内のスタッフに繋ぐ時にイライラせず心地よく感じるらしくて評判が良かった。

 もう一つは私の外来の机の横にある。そこは自分が好きな音楽が聴けるのである。開業以来ずっと聴いている。そのチャンネルはC-17のボサノヴァである。私の大好きなボサノヴァを一日中聴けるので、こんなに幸せなことはない。だから仕事中もいつもリラックスした気持ちで仕事が出来る。

 時代は変わり、今や音楽を聞く方法は私が知らないことが多くなり、びっくりすることが多くなった。例えばAI。娘が買ったAIは人工知能で触らなくても「アレクサ!」と叫ぶだけで好きな音楽をかけてくれる。しかもその機械は1万円ちょっとの値段で買える。それ故に若者でも気軽に楽しめるのである。

 もう一つが「YouTube」。これは音だけでなく画面も楽しめる。それも数えきれなない程の曲をかけられ、画面を楽しむことが出来るのである。これは良いなと早速つけた。それも外来診察デスクの目の前の壁である。大きさは100×50cm位で迫力のある画面が楽しめる。毎日そこに座り、この画面を見上げる。今日は一日海の中の生物の映像で、まるで自分が潜って泳いでいるような錯覚に陥る。これも取り付け費用を入れて13万円位である。

 ラジカセ→CDと育ってきた私の世代には、全く理解を大きく超えたものばかりである。レコードやCDを買う時代はとっくに終わり、今やダウンロードして音楽を楽しむ時代である。音楽に対する革命を自分で感じると同時に、一体これから音楽鑑賞というのはどんな風に進歩するのだろうかと楽しみである。

 まぁとにかく仕事が楽しく出来さえすれば、どんな方法でも受けとめる準備はしておいた方が良さそうだ。