今年もあっという間に一年が過ぎたような気がする。友人に尋ねても皆「本当に“光陰矢の如し”だね。こんなに早く一年が終わるなんて考えもしなかったよ」と口を揃えて言う。確かにそうだ。今年のお正月にカレンダーを壁に掛けた時はまだ365日もあるなと思っていた。だがもう最後の1枚になっているのである。

 幼い頃は一日がもの凄く長く、時間が早く過ぎないかと毎日思っていた。ところが今や一日を長く感じたいと思うばかりである。ある人はこう言った。子どもは1歳の場合自分の経験した1年は1分の1にしかすぎない。ところが年を重ねるに従ってそうではなくなる。例えば70歳の場合は一年が一生でいえば70分の1しかないことになる。70分の1だから短く感じるのは当たり前だというのだ。

 私は違う考え方を持っている。それは一年が早く感じるのは、楽しい毎日が続いているからではないか。例えば恋人と会っている時間なんてあっという間だ。もう少し長く居たいと思ってもそうはいかない。

 ところが病気やケガをすると、治療をしなくてはならない。癌になったりするとゲロゲロ吐いたり、好きなことが出来なくなるなど、耐え難い治療が待っている。その時間は早く過ぎてくれと念ずるばかりである。つまり時間の過ぎ方があまりにも遅過ぎるのである。故に一日がとても長く感じると経験者は口を揃えて言う。

 だから一年があっという間に過ぎたと言う人は、一年が楽しかった人ということになる。そう考えると一年が短いと感じる人は幸せ者である。