梅雨に入ったというのに、まだそんな感じがしない。そこで久し振りにドライブをすることにした。行先は“桃源郷岬”。何か意味深なネーミングの岬であるが、宮崎県日向市の北、門川町という所にそれはある。

 その案内パンフにはこう書いてある。『類を見ない天空の桃源郷岬の絶景、遠見半島の美しい海岸を眼下に、桃源郷岬のアジサイ群。色とりどりの200万本のアジサイ』。アジサイも凄いのであるが、そのバックになるのが広々とした太平洋というところがミソである。

 ちょうど行った頃が8分咲きだった。毎年アジサイを見に行くが、満開の時期になると1~2割はもう花が枯れてしまっている。それで哀れな姿になるのだが、まだこれから満開というアジサイはまだ10代の若者集まりみたいに瑞々しくて魅力的なのである。

 ここは20万㎡もありながら私有地なので、ジュース類の自動販売機は置いていない。そこで入口に売店みたいな所があり、冷えた飲料を売っている。その横で手作りのモノを売っていたので覘いて見た。するとグリーンの木製トラックの形をしたモノがあったので購入した。1個たったの1000円。

 そこに居たおじさんの手作りだという。「手間賃も出ません、赤字です」という。そこで2個買うことにした。するとおじさんは嬉しそうな顔をして、「ひょっとこのクリップをおまけで上げます」。こんなフリーマーケットのような感じがとてもここの雰囲気に合う。

 それにしても200万本のアジサイの手入れは大変なことだろう。しかしこれを楽しみに毎年来られる人達の喜びの顔を思い浮かべながら続けて来られたのだと思う。「これからも毎年綺麗なアジサイが見られますように…」と祈りながら桃源郷岬を後にした。