当院が開業した1985年(昭和60年)はバブルが始まる直前でした。世の中は「金・金・金」の話ばかり。いかに儲けるかに人は人生をかけました。ゴルフの会員権を売り一億円を手にした人や、土地を売って巨額の富を得た人もいました。とにかく世の中全てが上げ上げの時代だったのです。

 当時クルーザーを買い、海上を疾走するというのも夢ではありませんでした。私もその一人でした。しかしクルーザーを運転するには小型船舶操縦免許証が要ります。そこで忙しい合間をぬって講習を受けました。そしてようやくその免許を取得したのです。

 これでクルーザーを買って自由に乗れると思いウキウキした気分になりました。ところがクルーザーって何千万円もします。しかも係留するには膨大なお金がかかります。それでその夢は没になりました。

 それから30年が経ちました。5年ごとの免許の切り替えがあります。まぁもう乗ることはないと思っていますが、更新しないと乗ることができません。

 車の免許と同じ様に色々な段階があります。この免許では船の長さが24mまで、総t数20t未満までの船を操縦出来ます。旅客船など運航することはとても出来ませんが、それでもかなり大きな船を動かすことが出来ます。その辺りに係留してあるクルーザー位の大きさだったらOKです。

 しかし色々制限があり、海岸から10海里まで、北は延岡まで南は日南までと距離も決まっています。だから日本全国どこまでもという訳にはいきません。しかし老後にクルーザーより小さいモーターボートに乗り、大好きな海釣りをすることは出来ます。

 それまでは仕事を頑張り、何れ『老人と海』のサンチャゴ老人のような生活を送りたいと思います。まぁその日まで免許証は大切にタンスの奥にしまっておくとしましょう。