8月になると、自宅のTVチャンネルは昼の間ずっとNHKになる。それは夏の高校野球を観る為である。それは何故か?家内が大の高校野球ファンで、その為に一日中高校野球の画面一色なのである。ちょっとでもチャンネルを変えるともの凄く機嫌が悪くなるので、リモコンは一切ノータッチである。

 高校野球が好きなので、野球に詳しいのかというとそういうことはない。ただあの高校野球をやっている球児の一挙手一投足を見ていると清々しい気持ちになるからだという。確かにプロ野球とは全く違う。はつらつとしたプレー、全力疾走するランナー。必死になってボールを追いかける球児達、その姿に熱くなるというのである。しかし時々「?」と思うことを平気でいう。

 例えばバッターがファウルを打つとストライクのSのマークが増えていく。「ファウルなのになんでストライクなの?しかも何回ファウル打ってもストライク増えないの、おかしいんじゃないの。」

 確かにボールを打ってファウルになってもSが増えていく。アナウンサーも「ツーボール、ワンストライクのカウントになりました」とその状況を伝える。3回以上ファールを打ってもSの数は増えない。

 「もう五球もファウルを打っているじゃない。おかしいんじゃないの?何回ファウルを打ってもSが変わらないのは…」その理由の説明をするが家内は首を振りながら「それが分かない。」それなら野球見るな!と言いたいが真剣な眼差しで見ている姿を見るとそんなこと言えるはずもない。それ故ダラダラとテレビを消すことが出来ず見ているのだ。

 朝起きてのんびり新聞を広げていると「ほらもう8時5分よ。何してんのよ、テレビつけて!急がないと始まってしまうじゃない!」という声で一日が始まる。

 高校野球それは青春そのものを感じさせる。自分の高校時代をそこにだぶらせるのだ。色々なものが新鮮に見え、全力でぶつかっていた青春。懐かしい思いとほろ苦い思い。初恋の思い、級友と語り合った思い。甘酸っぱい記憶全てが詰まった3年間なのだ。

 たまには夫婦で高校野球を見るのも良い。会話のない夫婦には安心してほんの僅かに訪れる会話の要らない空間。私にとっては青春の思い出というより、老夫婦の架け橋になってくれている高校野球だ。黙って楽しみたい!!そう、「男は黙って!」なのだ。