先日の新聞投稿に次のようなことが載っていた。73歳の女性からの投稿である。彼女が小学生の頃、夏休み明けに「日焼けを競う大会」が学校で毎年行われていた。夏休み中に誰が一番黒く焼けたかを競うコンテストである。一昔前までは子供は日焼けしている方が健康的だという考え方が強かった。日焼けした子程外で遊んだから元気だったという事だったのだろう。ところが彼女の担任の先生が「元々色の黒い人は除外です」と言われたそうである。彼女は元々日焼けしていないのに黒かったので、その一言で深く心が傷ついたという。

 最近肌の色に対しては、一昔前みたいな考え方は通用しない。私が一番考えさせられたのはクレヨンの老舗「ぺんてる」が1998年からクレヨンの表記に『肌色』という表示をやめた。それまでは肌色というといわゆる暗黙の了解でその色になっていたのである。それから肌色という色は「ペール(薄い)オレンジ」という表記になった。それは国際化が進み肌の色が多様化したからだという。

 最近では絆創膏で有名な『ジョンソン・エンド・ジョンソン社』がブランド商品の『バンドエイド』で色の違う薄い茶色、濃い茶色など5種類の絆創膏を制作したそうだ。それは今年5月アメリカのミネソタ州、ミネアポリスで黒人男性が白人警官に押さえつけられ亡くなった事件がきっかけだった。その動画がネット上に公開されると、全世界で黒人に対する人種差別反対の動きが広がった。それを踏まえて作られたのだ。

 我々日本人は今までほとんど日本人だけの集団社会で生きてきた。しかし今や外国人の姿を街で見かけることも少なくない。このように多様性の社会の中で、人間を「肌の色」で差別していないかということが問われている気がする。

 今からますます日本はグローバル化し、もっと外国から沢山の人が来日し、色々な所で活躍することだろう。その際やはり肌色に対する偏見は持たないようにしなくてはならないと思う。その為には小さい頃からの教育が大切だ。