10年位前まで、朝起きてすることは駐車場の猫の糞取りだった。砂が風で舞いちょうどブロック塀の所に溜まる。そこにノラ猫達が糞をするのである。ビニール袋を片手に持ち、スコップでそれに入れる。猫避けの粉などを撒いたが効果は無くうんざりしていた。それでノラ猫が嫌いになってしまった。

 その後街には『猫に餌を与えないで下さい』という看板が至る所に立った。それには“可愛いからといって餌を上げないで下さい。餌を上げると子猫を産み、又糞をして街が汚れます”というような文面だった。「そうだその通りだ!」と思いながらその看板を通り過ぎていた。

 ところが最近猫の糞を殆ど見かけなくなっていた。だからといって今猫の数が減っているという訳でもなさそうである。街を歩いていると餌を上げている人を見かける。それも大きな器に餌を入れ堂々と上げているのだ。何ということだと憤慨していた。その猫を見てみると中には耳が片方一部V字になくなっているのに気付いた。誰かがイタズラして切ったのだろうと心を痛めていた。するとある日新聞にその訳が書いてあった。

 宮崎の飲屋街のニシタチには200匹以上のノラ猫がいる。以前から捨て猫や糞尿による悪臭を巡る苦情が絶えなかった。

 2017年夏に『飼主のいない猫の対策事業』が発足。ノラ猫でもきちんと管理をするならば、無償で不妊去勢手術をするシステムが出来た。

 「上野町猫食堂」は2カ月毎に猫を捕獲して不妊去勢をし、元の場所に戻している。又、餌をやる店は必ずトイレを設置するようにしているという。それで猫の糞を目にすることが少なくなったのだ。そんな活動をされているとは全然知らなかった。“ノラ猫との共存共栄”をスローガンにしているので、益々迷惑をかけるノラ猫が少なくなってくるだろう。

 今や空前の猫ブーム。ネコカフェに行かなくても、街で安心してノラ猫と接することが出来れば良いと思う。因みに山形屋の裏にも沢山の猫がいて、猫好きがまるで自分の飼い猫みたいに抱っこをしている姿をよく見かける。これもペットとしての一つの生き方かもしれない。

 因みに“ノラ猫”と“ドラ猫”の差って知っていますか?ノラ猫というのは街をウロウロする飼主のいない猫。ドラ猫とは人の目を盗んで魚を咥えている猫だそうだ。確かにサザエさんのタイトル曲の猫は魚を咥えているからドラ猫なのだ。