私は音楽が大好きだ。仕事中でも、散歩中でも、風呂に入っている時でも音楽を聴いている。
「どんな音楽が好きなのですか?」という質問をよくされる。基本的にクラシックは苦手である。どうやらクラシックアレルギーがあり、どうも好きになれないのだ。いけないとは思うのだが興味が沸かない。
「演歌はどうですか?」という質問もよくある。演歌は好きな曲も何曲かある。「北の宿から」「おふくろさん」などだ。だが、演歌はワンパターンの曲が多く飽きてしまう。しかし場末の酒場ではやはり演歌が似合う。
「じゃあ、一番好きなのはどんなジャンルなのですか?」と尋ねられれば「それはボサノバでしょ」と答えることにしている。一日中ボサノバを聴いて過ごしている。
それでは「今までの想い出の曲、好きな曲を選んで下さい」と質問を受けたら次の様に答えるだろう。
高校に入ってある日、音楽の授業があった。その時同級生がポロリ、ポロリとピアノを弾き始めた。今までピアノ=クラシックというイメージがあったのだが、彼が弾いていたのが『朝日のあたる家』である。アニマルズというバンドが歌っていたゴスペルソングなのだ。全身に電気が走るというのはこういう事を言うのだろう。暫くはポカーンと彼の弾くピアノに魅入っていた。それから俄然ピアノを弾いてみたいと思ったのだ。
その後高校の音楽仲間数人とバンドを組んだ。その時のバンドのテーマ曲がビートルズの「And I Love her」だ。バラードの旋律が身に沁みる。これは今でもギター片手によく弾いて歌っている。
もう一つ。高校時代に忘れられない曲がある。それが「イパネマの娘」だ。ジョアンジルベルトとアントニオカルロスジョビンの作ったボサノバの名曲だ。先日この曲がどうやって出来たかTVでやっていたが、偶然にお茶を飲みながら外を眺めていたら、イパネマの娘が窓の外を通った。それを歌にしたのだという。全然そんな事知らなかった。それにしても良い曲だ。
時代はフォークソング全盛時代だった。吉田拓郎、かぐや姫、井上陽水、荒井由美などが活躍し、曲を自分で作り、自分で演奏するというスタイルが出来上がっていた。私もそれに影響を受け、自分で詩を書き、曲を作っていた。それにしても本当に拙い幼稚な曲だったと今になって思う。
当時好きだった曲は「傘がない」。「行かなくちゃ、行かなくちゃ、君の街へ…」というフレーズが好きで、今でもフォークギターの置いてある店では歌う。但しあまり情を入れて歌うので、出入り禁止の店も何軒かある。
音楽のない生活など考えらない。「音楽を聴いたらいけません!」などと言われたら生きていけないだろう。それ位大好きなのだ。宮崎でもターンテーブルを回しLPレコードを聴かせてくれたり、棚一杯レコード、CDが置いてあって好きな曲を聴かせてくれたりする店がある。そんな店に行き、ちょっと一杯引っ掛けながら聴く瞬間が大好きである。