動物の中で一番大きな脳を持っているのはクジラで、何と4キロもある。しかし、体重100トンもある動物としては、脳の体重に占める割合は0.004%に過ぎない。一方、人間の脳の重さは1.5キロ。体重の2.5%位となる。クジラと比べると随分大きい。
脳の中の神経細胞は約140億もある。しかもヒダが無数にあり、その表面積は延面積にすると30型テレビの画面位になる。だが実際活動している脳細胞はたった約5%にすぎず、95%は休止状態である。
脳は左右二つの部分からなるが、全くその役割は異なっている。左脳を司るのは言語、論理、分析、記号的な部分で、この発達が良い人はIQが高く、インテリで、やることにソツがない。一方、右脳を司るのは芸術的な人で、作曲や絵画、陶芸などにその特異的な才能を伸ばす事が出来る。この左右の脳がお互いに働く事によって人間は上手く生きる事が出来る。
ところが最近の競争社会では、左脳をいかに生かすという事ばかり考えている。受験競争、一流会社への就職、お金儲けなどには左脳の働きが不可欠である。その為に左右のアンバランスが起こり、その為どんどんバランスは崩れてしまい、ノイローゼになってしまう。
一方、右脳の発達を促すのは、自然の中でのアウトドアライフ。あるいは、絵画鑑賞したり、音楽を聞いたりする事である。最近では、右脳を刺激させリラックスさせる音楽なども売り出され評判になっている。それがCDになっていて、いつでも聴けるようになっている。例えば、次のような気分を変えるのに曲を選ぶ事も自由だ。
・爽快な気分になる音楽・・・・・・・・シューベルト「交響曲第9番ハ長調」
・どんどん自信が湧いてくる音楽・・ベートーベン 「第3番 英雄」
・安全ドライブの為のBGM ・・・チャイコフスキー「白鳥の湖」
・自殺の心理を語り合える音楽・・・ベートーベン 「運 命」
・欲求不満を吹き飛ばす音楽 ・・・ストラビンスキー「火の鳥」
・心臓病にいい音楽・・・・・・・・J・シュトラウス「美しき青きドナウ」
・美人になる音楽 ・・・・・・・・チャイコフスキー「眠れる森の美女」
こういう風な曲を聴くことによって、心を落ち着かせ、右脳を膨らませ、左右の脳のバランスをとるのが、ストレスには一番良いそうだ。ストレスが取れると心もリラックスして夜もよく眠れるし、いい夢ばかり見ることが出来るという。夢を見なくなると要注意だそうで、ポックリ病で突然ベッドの中で冷たくなっている事があるという。
そういえば私は最近夢をほとんど見ない。憶えていないのかもしれない。とにかく夢を見ないのである。本当に夢を見ない人は、ぽっくり病で死ぬのか。
専門家の友人に心配になって尋ねてみた。すると「谷口さん。大丈夫ですよ。谷口さんは起きている時にいつも大きな夢を見ているじゃありませんか。あまり昼間に見過ぎるので夜見ないんじゃないですか。大丈夫、大丈夫。それ以上夢を見たら大変な事になる」。
あぁ、私だって、人並みに夜の夢を見たい!!