私の趣味はアルバム整理である。カメラ好きの私は、昔からいつもカメラを持ち歩き、
友人と飲食したり、旅行に行ったりすると、いつも集合写真を撮っていた。
子供が生まれると、何もかもが嬉しくて、多い日は30枚位撮った事もある。
今撮るのは2人の可愛いざかりの孫の写真である。日々成長していくので、毎日何枚も撮るのである。
今は昔と違いデジカメなので、とにかく一回に2~30枚撮り、その中でうまく撮れているのだけ残し、
残りは消去出来るので、その中の4~5枚をプリントする。昔みたいに写真屋に行く必要もなく、
自宅で出来るので便利になった。ただ便利になった分、沢山撮るのである。
 先日、その写真をアルバムに貼っていたら、家内が「ねぇ、最近は写真屋さんって大変みたいよ。
だってデジカメで自分でプリント出来る訳だし、写真撮ってもパソコンの中にデーターを入れておいて見たい時だけ見る。
だってプリントしてアルバムに貼るのって面倒臭いし、しかも大変でしょ。
それにアルバムに貼って保存しておくのに場所もとるし、もし年をとって老人ホームなんかに入ったら
持って行ける訳じゃないし・・・。だからアルバムも売れないらしいわよ」。
 なるほど、確かにそうだ。今までの私のアルバムは倉庫にあるが、もうすでに100冊以上はある。
今も『自分のプライベート写真』『趣味でやっているもの』『風景などの写真』そして『家族写真』
『2人の孫の写真』をそれぞれ5冊のアルバムに分けて貼っている。
貼らずにそのままにしておくと分からなくなるので、写真を撮るとそれを小さな箱に入れ、
3ヵ月ごと位にアルバムに貼っていくのである。だから年に4~5冊ずつは増えていく事になる。
ちなみに家内は別に自分のアルバムがあり、かさばるという理由で、写真を必要な所だけ、
例えば丸くとか、ハート型とかに切り抜き貼っている。だから私に比べると枚数のわりに沢山貼れ、
年1冊位のペースで済んでいる。
 そう言えば先日、友人と一緒に撮った写真を送ったら「写真なんか送らなくていいよ。
デジカメで撮ってあるなら、それをパソコンに入力してそれを送ってくれればいいんだよ。
そうすれば、パソコン開けばいつでも見られる、写真を貼る手間もいらないし、写真が無くなる心配もない。
今はもう写真なんか送るバカはいないよ」。その時はそんなものなのかなぁと思っていたが、
今考えてみると、写真を送ることそのものが迷惑になるという事になる。それにはちょっとショックを受けた。
 さて、私のもう一つの趣味はテレビ番組を録画し後で見る事である。
仕事柄、いつお産があるか分からないので、見たい番組はビデオで録画して、好きな時間に見るのである。
しかし録画したはいいが、後で見ようと思っているうちにどんどんビデオテープが溜まってしまい、
ラックに無造作に山積みになっている。見ようと思ったら、もう半年も前のものだったりして見る気がなくなる。
そして又山積みにされていくのだ。しかも最近はビデオ録画し再生すると、右上の方に『アナログ』と表示され、
いかにも「もう、時代遅れですよあなたのは・・・」というような嫌味な表示がされ、ちょっと腹が立つのだ。
 そこで先日電器屋さんのアドバイスで、ブルーレイレコーダーを購入する事にした。
まずこれがどんなものかよく分からなかったが、ハイビジョン画質で録画されるというので購入を決めたのだ。
実際、話を聞いてみるとその中にすでに録画されるハードディスクの部分があり、ビデオもDVDも必要ないという。
最初意味が分からなかった。というのも我々の世代は、カセットテープ、8mm、CD、MD、ビデオと、いつも録音や
録画の際には必ずそのような媒体を機械の中に入れて使っていた。
ところがハードディスク内蔵であればそんな物が必要ないという。
 「???」まぁとりあえず使ってみようと思いやってみた。そうするとあらら・・・とても操作が簡単で、
しかもすぐに録画が探し出せる。
今まで棚の中からどこにあるのかと血眼になって探してわざわざビデオテープを入れなくても、
リモコン1つで綺麗な画面がいつでも呼び出せるのだ。しかも見終わったらすぐ消去出来る。こんな便利なものはない。
 時代はどんどん変わる。写真1枚を愛しくアルバムに貼ったり、ビデオテープをわざわざ入れる時代から、
パソコンやブルーレイなどの登場で簡単に出来る時代になった。素晴らしい事だ。しかしそこにアナログ的な
懐かしさが失われるのに何か一抹の淋しさを感じる。