病院の評価というものはどうやって決まるものなのだろう。医師の腕の確かさ、医療機器の優秀さというのがまず挙げられる。その他病院まで近いことや、看護体制が優れていることなどを挙げることができる。しかしその判断はかなり曖昧で、人づてに評判を聞いたり、口コミで聞いたり絶対的なものは中々患者にとって分かりにくいものだ。

 心臓が悪く内科にかかったら胃腸が専門だったり、手を怪我して整形外科に行ったら、腰が専門だったり、出産しようと産婦人科に行ったら、婦人科しかなかったりすることもある。その度に患者はもう一度他の病院にかかり直さなければならない。

 どうしてそういう風な事が起こるのだろうか。それは医療というのは医療法という法律によって広告が禁止されているからだ。

 「そうは言っても電柱や駅の看板、電話帳などに広告が載っているじゃないか」と言う人も多いだろう。確かに公の場所では病院の名前、場所、院長の名前、電話番号、診療科目入院施設の有無ぐらいしか書いていない。

 例えば、冷暖房完備の有無、大部屋、個室の有無などは書いていない。ましてや食事のメニュー、従業員の数、数々の料理表など書いてあるはずもない。

 そこで患者は実際そこに行って、どんな病院かを自分で調べなくてはならない。分かることだったら教えてもらっても良いだろう。しかし専門的なことになったら判断に迷うことがあるに違いない。

 今まで色々な専門病院が紹介されたことがある「日本の名医百人」などの本や「日本の名医紹介」などのテレビ番組がそれである。そういうもので紹介されると、その医師は一流のお墨付きを貰い、その日から全国津々浦々から患者さんが殺到するようになる。だがその他にも沢山の一流の医師が全国で活躍しているはずだ。しかし患者は本やテレビで紹介される病院のみが一流と思い込んでしまう傾向がどうしても起こりがちだ。そこで日本全国の病院の立場や医院を紹介しようという雑誌が創刊された。優れた病院や医院を紹介しようというのは勿論のことであるが、その他にも色々な角度から病院を分析している。例えば「頭痛外来のある病院」「富士山が見える病院」「食事が美味しい病院」「待たせない病院」「予防医学を積極的に取り入れている人間ドッグ」「患者と看護のコミュニュケーションを大切にしている病院」「湖が見える病院」などだ。今まで医者が患者を選んでいた時代。しかし今は違う。患者が医者を選ぶ時代になってきている。その為には、口コミや評判だけではなく、どんなポリシーで、何が専門なのか、どんな施設があるのか、そういうものが患者に伝わらなくてはならない。雑誌がそれをどれだけ患者に伝えることができるか見物だ。

 最近の若者はスマホやパソコンでそこのホームページなどを調べ、予め知識を持って来院される。その為そこの施設の内容を驚く程把握して来られる。そういう意味ではやり易いし、又逆にやり難いこともある。しかしある程度理解されて来院されることは、患者、病院側にとって良いことだと思う。

 当院はホームページを開設して10年以上になる。クリニックの色々な説明は勿論のこと、月曜日には院内のコミュニティー誌『コアラ通信』。土曜日には『院長ブログ』を掲載している。週に700~1000件のアクセスがある。それはもの凄い数だと思う。

 因みに、「たにぐちレディースクリニック」のモットーは『親切医療』だ。どんな患者さんが来られても丁寧に、分かりやすく、ほっかりとした気持ちで帰られるように努力をしている。その為には5つのSというものがある。

・Smile微笑み 

・Serviceサービス 

・Speedy迅速 

・Study進歩 

・Steady確実

この5つのSを大切に診療しているのである。おかげで開業して35年を迎えようとしているが、この気持ちをずっと続けて診療しようと思っている。