産婦人科医の仕事、それはまず元気な赤ちゃんを取り上げる事である。次の仕事、それは充分な睡眠をとる事。いつでもすぐに眠れる様に至る所に枕が置いてあり、時間があると横になり一眠りする。当たり前の事だが、お産の入院がない夜は、とにかくぐっすり睡眠をとらなくてはならない。その為に涙ぐましい努力が必要である。
まず、疲れていないと眠れないので、夕食前30分位ウォーキングする。それが終わると、食事時にビールをコップ一杯。そしてお風呂に約20分入る。それからすぐ寝ると肥満体になるので、新聞を読んだりして過ごす。そしてようやく寝室に向かう。
寝室を温めると湿度は下がる。その為に喉は乾燥にさらされ、気がつくと口を開けていて口がカパカパになり、安眠が妨害される。加湿器を用い、喉を潤わせることは風邪の予防になり、風邪をひいた後にも症状を和らげてくれるという。
医学的に言うと、のどの粘膜には繊毛がある。それは外気の汚れや細菌、ウィルスを外に運び出す役割がある。もしそれが乾燥すると、繊毛は堅くなり、病原菌が侵入しやすくなり風邪をひきやすくなる。そこで加湿器は必需品なのだ。
今の季節は寝室を20℃、湿度50%にセッティングしてある。普通のセントラルヒーティングでは空気が乾燥してしまう。つけたままにしていると湿度が20%位になる。その為、暖房は必ずオイルヒーターである。これだと空気も乾燥せず火事の心配もないので便利である。 
次に加湿器。それも数年前買ったもので、自動的にそれを湿度50%になるようにセッティングしてある。ところが思ったより水蒸気が出て、朝起きると窓が水滴でグチョグチョになっている。4リットルも入るタンクの水も、朝方5時位にはなくなり、ピーピーという音がうるさい。
先日、家内が通販のカタログを持って来て「これ結露しないらしいわよ。これが絶対いいと思うわ」と言う。通販のカタログなんか全く興味がない家内にしては珍しいなと思いながら、その話を聞いていた。今使っているのは2~3年前買ったハイブリット式で、3万円位したのだが、カタログのは1万円ちょっとである。「それは安いから買っても多分役に立たないと思うよ。今使っているのは自動調節が出来る『すぐれ物』だから、絶対これよりいい物はない」。
しかし家内も喰いさがる。「でもあの結露異常よ。雑巾で窓を拭いても雑巾1枚じゃ全く拭き取れなくて、あれじゃあなたの体中に結露して健康にも悪いはずよ。私は絶対これを勧めるわ」。
2~3日して家内が「同じ物が電器店で売っていたから買って来たわ。あなたが使っているのより安いけど、一度使ってみてよ」と言う。まぁ買って来たというのなら仕方ないので使ってみる事にした。
大きさも今使っているのと比べて半分位で、水のタンクも2リットルもない位でこりゃダメだと思ったが、とりあえず寝室に置いてみた。自動に合わせて電源を入れてみると、全く水分が出てこなくて空気だけが出てくるだけである。しかもかなり音がうるさい。それでもせっかく買ったのだからとつけて寝てみた。朝起きてみると、いつもの結露より半分以下である。しかし湿度はきちんと50%を示している。しかも水もまだ半分位入っている。不思議だ。
まぁ、とりあえず家内が買って来たこの加湿器を使ってみよう。せっかく買って来たのだ。使わないとバチが当たる。いや、雷が落ちる。