50匹以上の犬が里親探しということで近くの会場に集まった。いずれも生後数週間の犬達で、生まれたはいいが育てられないので、里親を探そうという企画で集められた犬達である。貰う時獣医さんからこういう話があった。

 一つ目。ただ可愛いというだけではだめです。段々大きくなってくると、見た目は可愛くなくなってきます。その時はいらないといって捨ててはだめです。ノラ犬となって殺される犬は年間50万頭にもなります。大きくなり過ぎたとか、引越しで連れて行けないなんて無いよう今のうちに考えておいて下さい。

 二つ目。一緒に来たお父さんお母さん、犬の世話をさせられるのは結局あなたたちですよ。特にお父さんが忙しいという理由でお母さんが面倒見なくてはならなくなるケースが多いようです。子供の為に飼うのは結構ですが、お母さんが犬嫌い、散歩が面倒くさいとか言っている方には上げられません。

 三つ目。きちんと飼う場所を作って下さい。屋外で飼う場所も、少し広めの所を用意し、1日1回は散歩に連れて行って下さい。

 四つ目。言ったことをきちんと守った時、例えば「お坐り」「お手」「待て」など出来たら頭を撫でてあげて下さい。特に鼻の回りは犬の場合とても触られると気持ち良いのです。そして悪いことをした時はきちんと叱ること。これをいい加減にやっていると中々言うことを聞かなくなります。

 五つ目。必ず登録をして下さい。人間だって生まれたら出生届けを出すでしょう。犬の場合も同じで、必ず保健所で届けて下さい。そうすると定期的に予防接種の案内が届きます。犬もきちんとした健康管理が必要なのです。

 六つ目。早く名前をつけてあげて下さい。皆さんも自分の名前を呼ばれたら「ハーイ」と手を挙げるでしょ。それと同じです。自分の子供と思って呼んで下さい。きっとしっぽを振って喜んで駆けてきますよ。

 七つ目。散歩に連れて行ったら必ずウンコします。そのままにしておかないでね。必ずウンコの後始末をして下さい。スコップや最近では簡単にウンコを獲れるグッズも売っていますから、そういうものを利用するのも便利かと思います。人に迷惑をかけないマナーが飼い主には求められます。

 以上のことを守っていつまでも犬を可愛がって下さいね。今日連れて行かれる小犬は、12、3年は皆様の家族になるのですから大切に育てて下さい。

 その時に里親で引き取った犬は「ロキ」という雑種で、うちに来たのはH14年8月。来た時は片手に乗る位の大きさだった。それから15年。すっかり老犬となった。今では耳は殆ど聞こえない。近付いても全く気付かない。しかし自転車で散歩に連れていくのだが、その時にスピード計で走る速さを測ると22㎞位は出る。それは一流マラソンランナーの速さに匹敵する。しかしそれも200m位しか続かない。それでもぐいぐいと引っ張る力はまだ充分ある。まだまだ若いのである。散歩に行く度に「いつまでも元気でいようね、お互いに…」と声をかけながら出かけている。しかしドッグエージから考えると、人間の4年と犬の1年が同じという。それから考えると、老犬に早くなる可能性が高い。

 しかしいずれにせよお互いに年齢を重ねることに間違いない。だから体に気を付けて長生きしよう。「ねぇ、ロキ!」