最近物忘れがひどくなったような気がする。例えば出掛ける際、財布がどこに行ったのか探し回る。いつもの場所に置いておけばいいのだが、帰ったらついその辺にほおり投げてしまう。後から、その辺にほおり投げなきゃ良かったと後悔するのだが、後の祭り。しかも急ぐ時に限ってそういうふうになるのである。お金だけなら家内から借りれば済むのだが、車で出かける時は免許証がないと車が運転出来ないので特に困る。
出かける時の必需品は、財布、携帯、歩数計の3つである。これはいつも同じ所に置いてあるのだが、時々家内が邪魔だからと机の上からどこかに移動させている事がある。家内が居る時は尋ねればいいが、出かけている時はお手上げだ。
先日、ある神経内科の先生が「物をどこに置いたか分からなくなる世間一般でいう『置き忘れ』は『物忘れ』とは違う」と言っていた。確かに帰った時「まずトイレに行こう」とか「ちょっと手を洗ってから晩御飯を食べよう」とか「今日のテレビ何か面白いものないかな」なんて考えながら行動している。つまり置き忘れは何かしながら、何か考えながらの行動が原因なのだ。つまりその事を意識せずに行動するから起こるらしい。だから元々頭の中に「物を置いた」という記憶がないのだという。そう、置き忘れは誰でも起こりうることなのだ。
とは言っても実際起こると困る。だからそういう事が起こらないようにしなくてはならない。そこで『物忘れ防止5か条』というのがあるそうだ。
①忘れたくない事は必ずメモする。
②声に出しながら行動を確認する。
③置く場所のルールを決めておく。
④行動する度に再確認する。
⑤これらの言動を繰り返し行なう。
具体的には、玄関の入口の所にホワイトボードを用意し、そこにとにかくメモをしておく。そうすれば出掛ける時それを確認して出掛ける事が出来る。又持って行く物はその横に箱を置いておき、あらかじめその中に入れて置く。
1ヶ月のスケジュールを逃さない方法としては、百円ショップなどで売っている透明のカレンダー付のポケットなどを利用する。そのポケットの中にチケットやメモを入れておけば、その日のスケジュールを見落とす事はない。
鞄は出来るだけ仕切りの多いものを選び、小物や書類がサッと出せるようにしておく。オフィスでは首に下げておけるネックストラップが便利だ。メガネ、ケイタイ、SDカードなどの小物はストラップミニケースなどを利用する。とにかく首からぶら下げておけば、邪魔になるかもしれないが忘れる事はないだろう。
その他にも最近では物忘れ人用のグッズも販売している。例えば鞄の取っ手に送信機をぶら下げ、ポケットに受信機を入れておく。すると10m位離れるとアラームのブザーが鳴るもの(3千円程度)。又、玄関の鍵をちゃんと閉めたかどうかは出かけた後に心配になる。そこでドアの鍵の所にアダプターを装着し、出かけ先で鍵がちゃんとかかっているかをなどで遠方からウェブサイトなどで確認できるものまで登場している。
ちょっとした物忘れというのは誰でもするものらしい。例えば何か用があって行動すると、「何で来たんだっけ?」と思うことがある。最近私はそのような事が多くある。そういう時はそれを思いついた場所まで戻る事。そうすれば7~8割は思い出す。残りの2~3割は何かをやっている時ひょんな事から思い出す。
物忘れを恐れてはいけない。人間誰でもあるので、それで生活に支障がなければOKだといえる。しかし、なかなか思い出せない時に、「年のせいにしたくない。何としてでも思い出してやる」。と意地を張ってしまう自分を、後から思い出すと滑稽だ。そして自分のやる事が信用出来ない自分にイラついてしまうのは年のせいだろうか。