今年も沢山の方から年賀状を頂いた。
その中でも同級生からの年賀状にはいろいろ考えさせられるものが多かった。
 私の同級生は59歳か60歳である。サラリーマンや公務員などは定年になる年である。
定年にも2通りある。1つは誕生日が来た月で60歳になればすぐ退職。もう1つはその年度末、
つまり3月末で定年退職になるものである。だからその人の勤め先によって時期が違う。
その多くが年度末になっているので、今だに仕事をしている人が多い。
「この春からは毎日が日曜日の生活が始まります」「今までしたいと思っていた事がようやく出来ます」
「今の会社を辞めて再就職します。給料は少なくなりますが、しばらく頑張るつもりです」
「すっぱりと仕事を辞め、年金が月25万近くもらえますので、仕事をしなくても暮らせそうです」
「仕事を辞めた後はボランティアなど、世の中に恩返しをしたいと思います」などだ。
 これに対し、自営で仕事をしている人達は「老骨にムチを打って仕事をしたいと思います」
「この年でまだ仕事が出来るというのは恵まれています」「仕事は今にでも辞めたいのですが、
年金がまだもらえないので年金がもらえるまで頑張らなくてはなりません」
「息子が跡を継ぐ為に帰って来ました。これからは息子と2人でやっていかなくてはならないと思っています」
「もう疲れました。余力を残して今の仕事は辞めます」「何かパートでの仕事を見つけようと思います」
「体の調子が悪いので辞めたいのですが、辞める事に不安があります」など書いてある。
 又年齢に対しての感想も書いてある。「小さい時、60歳といえば本当におじいさん、おばあさんでした。
今まさにその年齢になったのですね」「まさか自分が60歳になるという事は考えた事もありませんでした。
でもやはりなるのですね」「人生残りわずかです。最後のラストスパートをしたいと思います」
「頭は若者のつもりですが、手足がうまく動きません」
「時間が沢山出来たので、しばらくは旅行を楽しみたいと思います。今まで行きたいと思っていた所が沢山ありますので・・・」
「四国の霊場88ヵ所巡りを夫婦でしようと思っています。そこで今からの生き方を考えようと思います」
「死んだ大学の同級生の墓巡りをしたいと思います。先日お宅にお寄りしたら、老母がポツンと一人おられました」
「病気になり治療中です。元気になりましたら又飲みましょう」「90を越えた老父母の面倒で一日が過ぎていきます」
「孫が3人になりました。その世話が忙しくてなかなか外へ出られません」
「世の中不況です。今から僕達はどうなっていくのでしょうか」
「古里宮崎に帰りたいのですが、家内が東京生まれなので宮崎みたいな田舎に住むのは嫌だと言われ困ってます」。
 今、日本人の平均寿命は男性79歳、女性85歳である。
単純に考えると男性であと19年、女性であと25年である。だが生きているという事だけを考えてはいけない。
その生きている内の半分位は日常生活が出来る程度に元気であるが、残り半分は認知症になったり、
寝たきりになったりするだろう。晩年は意識も無く、ベッドに横たわっているだけかもしれない。
そういう事を考えると60歳という年齢はいろんな将来の事を考え、その中から逆算していかねければならない年齢だ。
 我々の世代は一年間に270万人生まれた。
そのうちすでに40万位の人が亡くなり、昨年、今年60歳を迎えた人達は230万。
そういう人達が一人一人の自分の人生をどうするか考えているに違いない。
まさに第2の人生をどうするのかという事が我々団塊の世代に突きつけられている。