月に一度は必ず郵便局に寄り、切手を買う。毎月『コアラ通信』を約100人の方に発送する為だ。送料は90円である。年に1回切手の趣味週間に90円の記念切手が販売されるが、その時は一度に200枚位買い求める。それを使いきると、80円切手と10円切手の2枚を貼ることになる。『コアラ通信』の発送以外にも、紹介先の病院への返事などで、毎月かなりの切手が必要だ。せっかく切手を貼るのだから、せめて気に入った切手をと自分で買いに行く。
郵便局に入ると大きなパネルがあり、そこに見本が何種類か飾ってある。記念切手には大きく分けて2通りある。1つは『特殊切手』と呼ばれる何かのイベントを記念して発行される、いわゆる記念切手。もう1つは『ふるさと切手』と呼ばれる地方限定の切手で、その多くは各地のイベントやその土地で咲く花などが中心である。
今回は『日本ブラジル交流年』というカラフルな蝶や鳥のデザインのものや、『国際交流グリーティング』を記念して赤毛のアンの図柄のものと、ふるさと花シリーズ切手から計150枚を購入した。
切手といえば、決められた中から選ぶものと思われがちだが、中には自分でオリジナル切手を作る事が可能だ。それは自分で撮った写真を切手に出来るというサービスだ。まず切手にしたい写真を選び、4×4cmにカットする。それを郵便局に置いてある申し込み用紙に必要事項を書き込み、申し込む。80円切手10枚で1200円、50円切手10枚は900円で作る事が出来る。結婚式の写真、ペットの写真、生まれたばかりの赤ちゃんの写真、入園、入学の写真、新築した家の写真など用途は無限にある。
我々が小学生の頃は、切手収集が趣味という人が沢山いた。『見返り美人』『月に雁』といった切手はプレミアがつき、とんでもない値段がついていた。当時は、その切手を手紙やハガキに貼る為というよりも、切手アルバムにそれを挟み楽しんでいた。のちに値が上がりそうな切手は1シートで買い、そうでもないのは5枚位ずつ買うのである。先日、荷物を整理していたら切手アルバムが出てきた。今は50円、80円切手が主であるが、当時の切手は5円、10円だった。
こうして、しばらくは切手収集のブームがあったのだが、プラモデルブームや漫画ブームでいつしか下火になってしまった。最近また、中高年の切手収集が人気という。当時はお金のなかった子供達が大人になって、ようやくちょっとしたお小遣い程度の小金を持つ事が出来、今になって懐かしさも手伝ってブームになっているのだろう。
父が生前、いつもこう言っていた。「手紙やハガキはたった5円や10円で日本全国どこでも必ず届く。相手に自分の気持ちをこんなに安くて確実に伝えられるなんてなんてすごい事なんだろう」と。
確かにたった50円、80円で人に心を伝える事が出来、何度でも好きな時に読み返す事が出来る。そう考えてみれば本当に素敵な事だ。
 
ちなみにハガキに貼る切手の値段は
S27年~41年    5円    S42年~46年    7円
S47年~51年   10円    S51年~56年   20円
S57年~H6年   40円    H7年~        50円
今やハガキや手紙よりメールを利用する方が大多数だろう。メールにも確かに良い点がいくつもある。しかし何年も、あるいは何十年経っても残るハガキや手紙にはメールにないいい所が沢山ある。だから私はハガキや手紙を出すのが今でも大好きだ。