私が持っている免状は、医師免許証と車の普通免許証。でも実はもう1つ持っている。それは船舶免許である。開業して3年目。突然、船の免許が取りたくなった。若い頃から海に憧れ、時間を作ってはダイビングや釣りに行っていた。そこで船の免許があれば楽しいだろうと思ったからである。
船の学校では車の免許と同じ様に船のメカニズム、法的な決まり、海上の決まりなどを学ぶ。学科試験がありそして実施試験である。学科試験はテキストを暗記すればそれでいいのだが、実施試験ともなると実際船に乗っての試験となる。操縦桿を持って、海の上を走らせるのである。なかでもちょっとユニークなのが溺れている人を助ける訓練。ダミーの人形を海に投げ込み、大声で「漂流者発見!」と言いながらその方向に舵を切るのだ。声が小さいとそれだけで不合格になる。
接岸は岸壁まで近付いて減速し、スクリューを逆回転させ接岸させるのであるが、タイミングが遅いとそのまま岸に激突する。一番難しかったのはロープの結び方。何通りもあるのだが、実際やってみると知恵の輪みたいにロープが絡まる。しかし何とか無事試験に合格した。
今年で4回目の免許更新で先日受けてきた。視力検査と1時間の講座を受けるとOKである。今年から制度が変わり4級から自動的に2級船舶免許になった。何と20トンまでの船に乗れるのである。
一度だけ船を持とうと思った事がある。新しいのは高いのでなかなか買えないが、中古だと車位の値段なので買えないこともないと思ったからだ。それでも100~200万円はする。しかし問題なのは維持費だ。車だと車庫が要るわけだが、船だと係留する場所と係留代がかかる。又、海の中に浮かんでいるので、船底などにフジツボなどが付き、それを清掃しなくてはならない。台風が来たら、流されないように太いロープで固定。車に比べるとサビやすいので、そういうメンテナンスもしなくてはならない。そういうふうな理由から結局持つのを諦めた。
ちなみに免許を取って実際に運転したのは一度だけだ。日南の沖に浮かぶ大島に行った時、ジェットスキーを借り、それを操縦したのだ。遠くの島々を見ながらのジェットスキー、もう一度やってみたい。