うちの家内はキンカン大好き人間だ。お正月明け『道の駅』でキンカンが売っていた。
30個位入り、たったの150円。それを見て私は「安い~」と叫んで買って帰った。
家内の喜ぶ顔を想像しながらそれを渡すと「これ何、キンカン?えらく小粒だわね。
これはこのまま食べるのではなく、きっと甘く煮たりして食べるんじゃない?おせちなどに入っているでしょ。
それに使うのよ」。どうりで少し小ぶりだった訳だ。それでも黄色い色をしているので、そのまま食べてみると、
やはりそのままでは硬くて食べられない。
 キンカンは漢字で書くと『金柑』。みかんと同じ種類だが、生で皮ごと食べられるのが特徴だ。
ビタミンCがたっぷり含まれ、それが白血球の働きを助け、それで免疫力を高めるので風邪予防にはもってこいの果物だ。
この皮の部分には『ヘスぺリジン』というポリフェノールが沢山含まれ、毛細血管強化、血圧上昇を抑制する作用もあり、
動脈硬化予防や高血圧の方にもお勧めだ。
 そうは言っても、この皮や実の周りの白いワタには独特の苦味があり、砂糖で煮たり、
シロップやハチミツ漬けなどにする人も多いようだ。
 先日、新聞にキンカン酒の作り方が載っていた。
それによると、まずキンカン1㎏と瓶はよく洗って水気を拭いておく。
へたを取ってフォークで何ヶ所か刺し、瓶に入れる。その上に氷砂糖1㎏を置き、ホワイトリカー1升を入れる。
ラップで中ぶたをし、ふたをしてさらに外からもラップをかけ、これで終了。後は冷暗所に置いて3ヵ月待つ。
数日するとキンカンが浮き、淡い黄色い色が付いて、ふたを開けると、もう甘酸っぱい香りが漂ってくる。
これからどうなっていくのか気になるところ。完成したらロックや、炭酸割りでサワーにして楽しめる。
種を取って柔らかくなったら果実をつぶして混ぜて飲むのもお勧めだ。
その味は家庭それぞれに違っていて、その違いを味わうのも1つの楽しみだ。
 さて、最近宮崎では一回り大きなキンカンを見る機会が増えた。串間を中心に栽培されている。
『完熟キンカン』だ。大きいのはピンポン玉位大きいのもあり、食べてみると「甘~い」。
但し普通のキンカンに比べると値段も高く、1個2~300円するものも珍しくない。
特に大玉で糖度が18度以上の物は『たまたま』と呼ばれ、贈答品として飛ぶように売れているという。
特に今年からはその中でも特上の物を『たまたまエクセレント』と呼ばれ、一箱5~6000円で売っている。
一度は食べてみたいと思うが1個300円もするとなると、なかなか口に入れられない。
 先日、知り合いの方から『たまたま』を頂いた。
うちの家内にそれを見せたら「これ私専用のキンカンよ」と早速冷蔵庫に入れ、毎日1個ずつ食べている。
それを食べると鼻にツーンと甘い香りが来て、鼻がスーッとして気持ちいいそうだ。
 昔から「風邪が流行るとキンカンが売れる」と言われ、風邪を引いた時にキンカンのシロップを作り、
それにお湯を注ぎホットキンカンで温まると早く治るそうだ。
 それにしてもテレビやラジオで女性アナウンサーが『たまたま』と何度も何度も連呼しているのを聞くと、
もうちょっと小さな声で言って欲しいと、我々男性は股間を押さえながらそう思う。