開業して33周年を祝って近くのホテルで祝賀会を開いた。無事会も終わりホテルを出た時に雨が降っていたので傘を差した。その瞬間凄い突風が吹いた。その日台風19号が近付いていたのだ。あっという間に2mも飛ばされ駐車場の床に叩きつけられた。
運が悪いことに、倒れた所に高さ20cm位の車止めがあり、そこに手をつく間もなく叩きつけられた。右肩後ろ側を強く打ったのである。打った瞬間ボキッという音がした。こりゃどこかの骨が折れたかなと直感した。傘はぐしゃりと曲がり、右肘を強く打ち、血が滝のように流れてくる。それはまるでホラー映画を観ているようだった。
暫くして倒れている私を家族が見つけて「どうしたの?」自分でも体がどうなっているのか分からないが、ケガをしているのは間違いない。家内が「救急車呼びましょうか?」と声を掛けるが、救急車にわざわざ乗るほどでもない。滴る血、しかしあまり痛くはない。ただ少し胸が苦しい感じがする。
夜10時だったが、とりあえず救急外来を受診することにした。受付を済ませ診察室に通された。診て下さったのは当直の若い女医さん。とりあえず、胸部レントゲンを撮ることにした。その後簡単な検査をしてもらった。暫くして結果が分かりお話をして下さった。
「レントゲンでは骨折など異常はなさそうですが、急に何かあったら夜間でも結構ですのですぐお電話下さい。」それを聞いて少しほっとした。
帰り際「右肘の傷は縫いますか?」と尋ねられた。場所が丁度肘の部分で見えない所だ。「縫った方が良いかもしれません」と言われたが、「テープで寄せてください」とお願いした。家族の車に乗せられて帰宅し、体全体が痛いまま一夜を過ごした。
次の日その傷からタラタラ血が流れていて、家内が「どうしたの?血が流れているわよ~」その箇所を見るとテープが外れてパカッと割れている。骨が見えるほど深く約2㎝。さすがこりゃヤバイと早速近くの整形外科を受診した。ケガをしてから約12時間後である。
その傷を見るなり「こりゃ縫わんとだめだわ!」しかも時間が経っているので、切開部がかなり汚くなっていた。そこでその部分を切り落としガーゼドレーンを入れて縫ってもらった。転んだ際見えない所なので、どんな風になっているのか確かめなかった自分が悪かった。それから3日、まだ縫った所が痛い。
それとイスに座り背中をつけると激痛が走る。又、咳をするともの凄く痛い。ゆっくり立ち上がり机に手をつけて用心深く咳をしている。しかしくしゃみの時は間に合わず、死にそうな背中の痛みに襲われる。やはり肋骨にヒビが入っているのだろう。
自分では用心深い方だと思っている。だが、こんなことはもう今年2度目である。1月には自転車で自宅から急いで出た所で、左側からふいに走ってきた自転車と激突した。空中に放り投げられ、落下する時に左肋骨をハンドルに激しくぶつけた。この時も肋骨にヒビが入り、約2週間は何をするのも痛くて大変な思いをした。そんなことを経験しているというのに、又同じような事をしでかした。2回とも予期せぬ出来事とはいえ、やはり充分気をつけていかなくてはならない。
『2度あることは3度ある!』なんていうことがないように気をつけて生きていこう。家内の「又やったの?」という声を聞かなくても良いように…。