孫が来年から小学生になる。その為そろそろランドセルを準備しなくてはならない。一昔前まで入学の2~3か月位からランドセルを用意していた。だが今や5月連休明けた位から用意しなくては、自分の好みのランドセルが手に入らないという。だから殆どの親は今のうちからいわゆる「ラン活」を始めるらしい。
今ネットの時代だから色々なランドセルを選ぶことが出来る。私達の小さい頃、男の子は黒、女の子は赤と決まっていた。それ以外の色の選択肢はなかった。しかし今やランドセルはカラフルになり、何種類もの色がある。或いは柄入りのものもある。鬼滅の刃が流行ったお陰で市松模様のグリーンのランドセルも紹介されていた。しかし6年間使うものだから、それは慎重に選ばなくてはならない。
さてそんな話を家内にすると「ランドセルを今から用意しなくてはならないの?そんなのまだ、早すぎるでしょ!」。娘も「ランドセルを小学生になったら背負わなくてはいけない決まりでもあるの?法律で決まっている訳でもないのに、ランドセルじゃなくても良いんじゃないの?」という。
色々調べてみると、殆どの小学校ではランドセルを背負っている子どもばかりだ。しかし必ずしもランドセルとは決まっていないようだ。
最近では「ランリック」というものが販売されている。ランドセルそのものが1.5kgもあるのに対し、これはたったの700g。半分位の重さである。確かにランドセルに教科書など詰め込むと5kg以上にもなる。
一度ランドセルを背負ってみたことがあるが、こんな重たいものを背負っているのだとつくづく思った。計ってみる7~8kgもある。体重30kg位の小学生にとって、体重の4分の1にもなるのだ。80kgの体重の大人で計算すると20kgのものを背負って何kmも歩いて通学するということになる。
その為に肩凝りや頭痛を訴える小学生が多いそうで、前屈みで歩くので腰への負担もばかにならない。特に成長期にあたるので、その影響は計りしれない。それで最近問題になっているそうである。
35年前娘に初めてランドセルを背負わせた時、小学校に走って行く後ろ姿はまるでランドセルそのものが走っていくという感じがした。6年生にもなるとそれもかなり窮屈だった。6年間に体は成長するのに、ランドセルの大きさは変わらないので当たり前の話だ。そのランドセルは今も捨てられずにとってある。
今やランドセルはおじいちゃん、おばあちゃんがプレゼントするのが当たり前となっている。ランドセルは6~7万円はするというからかなりの出費になる。まぁ可愛い孫だからそれ位お安い御用というおじいちゃん、おばあちゃんが殆どだから、そのランドセルを気に入ってくれればもうそれだけでOKという人ばかりだろう。
娘にランドセルの話をしても、ランドセルを私達にねだるような様子もない。もしかしたらランドセル以外のものに教科書などを入れて通学させるつもりなのかもしれない。そうなるとじいちゃん、おばあちゃんの出費も少なくなり、大助かりだが、果たしてどうなることやら…。
※ランドセルの原型は幕末から軍隊で使用されていた布製の背のうだという。それが明治20年、大正天皇の学習院御入学祝いとして伊藤博文が献上したのが始まりだといわれている。だから100年以上も愛用されていることになる。
※ランリックは学生用品店「マルヤス」が1968年に開発した。京都府や滋賀県などの一部地域では長年定着している。ナイロン製で重さは約700g。価格は1万円程度。北海道小樽市の小学校でもナイロン製「ナップランド」が定番となっている。そもそも公立小学校では、ランドセルの使用は指定ではなく、慣習で使われている場合も多い。自治体が独自の通学用リュックを無料で配布する動きもある。