今は殆どの人がマスクを着用しています。勿論これは新型コロナウイルス感染予防の為です。しかしマスクには予防効果は殆どありません。ウイルスはもの凄く小さく0.1nm位しかありません。これは楽々とマスクの網目を通して侵入してきます。マスクでは残念ながら防げないのです。

 それでは何故マスク着用を推奨するのでしょうか。それはくしゃみや咳などした時にウイルスの拡散を防ぐ為なのです。もしマスクをしていなければ、くしゃみをした時に2m位は唾が飛散します。その中にウイルスがいれば、それで感染する可能性があります。つまりマスクは自分の身を守るものではなく、人に感染させない為のものなのです。

 今年の初めまでは、マスクをして接客するなんてとんでもないという考え方の人が殆どでした。例えばイオンなどでは昨年12月に身だしなみのルールとして『原則接客時にはマスクを着用してはいけない』という通達を出しています。その理由はマスクをすると“表情が分かりにくい”“声が聞き取りにくい”などの理由でお客様から好印象を持たれないからというのが理由です。TVでもアナウンサーがマスクをして喋るなど見たこともありませんでした。

 又あれほど国民がマスクをし始めた時でさえ、国会議員などは着用しない状態で答弁をしていました。しかし今や答弁をする時には皆マスク姿です。それは何故か?『マスクをすると印象が悪くなる。顔が分かりにくいので次回の選挙時のポスターを作る際、印象が薄くなる他の議員がしていないのだからしなくても良いのではないか。マスクをすると自分だけが感染予防をして卑怯な人間だと思われるのではないか』などが推測されます。今や全議員がマスクをして答弁しています。今までは「マスクをして答弁するなんて何て非常識なんだ」と眉をひそめられていたでしょうが、今は「何故マスクをしないで答弁しているんだ」と非難されるのがおちです。

 外国ではマスクをする文化がないといいます。確かに海外番組でマスクをしている人を見たことがありません。どうしても必要な人は医師の証明が必要で、それがないと着用を認めない国もあるといいます。ところがいま世界中の人がマスクをしています。75億人もの全世界の人がマスクをしているのです。

 その為に日本でもマスク不足になり、安倍首相が心配して布マスクを国民1世帯当たり2枚ずつの466億円かけてプレゼントするといいます。それは“アベノミクス”にかけて“アベノマスク”と呼ばれ、世の中の人のバッシングを受けました。しかもその中には不良品があり、8憶ものお金をかけ検品したといいます。

 そうしているうちにマスク過剰になり、早く売りたいということで、路上でリヤカーに乗せ売っている姿もTVで見ました。今やネットや通販でも手に入れやすくなっているし、街では普段マスクを売っていないような店でもマスクが山積みになっています。

 さてこれから夏。冬のインフルエンザ、春の花粉症の時は必要なマスクも、夏になると殆どの人がしていないのが今まででした。ところがこのウイルスは暑さにも強く、感染力も強いということで、夏も殆どの人が着用することになるでしょう。

 マスク姿でジョギングなどをする人もいるに違いありません。マスクにより空気の吸い込みが少なくなり、しかも吐き出す時も少ない。しかも呼気に出る水分も出にくくなる。だからマスクを着用して走ると脱水症や熱中症になりやすくなります。だから今年は例年に比べ、かなり熱中症で緊急搬送される人が増えることが懸念されます。

 今までも『伊達マスク』『マスク美人』などの言葉があったように、それをファッションのアイテムとして使う人がいました。しかしそれは一握りの人達でした。これからはそれが当たり前になるのかもしれません。或いは自分の顔を隠すことで、まるで仮面舞踏会のように恥ずかしさを消し去ることが出来、ファッションの一部として定着するかもしれません。

 新型コロナウイルスによって、今までとはかなり違った変化が現れることでしょう。マスクがうっとうしいと思っている人にとっては、マスクを着用しなくても良い時代が早く来て欲しいと思っているに違いありません。私もその一人ですが…。