中学生の時バスケット部に入った。入った理由は単純だ。それは全スポーツ選手の中で、バスケットボールの選手のIQが一番高いという事を聞いたからである。部活で苦しんだ思い出はないが、レギュラーにようやくなれるかもしれないという頃に転校したので、ユニホームを着たのは一試合だけだった。

 高校に入ってバスケット部に入ろうと思っていたのだが、練習が大変そうなので止めた。しかしバスケット同好会を作って3年間は昼休み時間によくやった。得意技はフリースローラインからのシュート。

 フリースローは当たり前のことだが、フリースローラインからボードめがけてシュートする。その距離は約5m。私の場合は反対側のボードめがけて超ロングシュートを入れるのが好きだった。20m位も距離があるので中々入らないのであるが、入ると胸がスカッとする。その為にバスケットを続けていたと言っても過言ではない。

 大学に入ったらクラブ活動をしたくなり、今度こそ部活に入ろうと思っていた。入学式の日の勧誘に来ていたのはガタイの良い相撲部、ラグビー部、柔道部などのどちらかと言うと格闘技のクラブである。私の身体が大きいので目を付けられていたのである。しかし断った。その後バスケット部はと探して体育館に行ってみると少人数でやっていた。部員はたった6人しかいないという。入ればすぐにでもレギュラーになれると言う。レギュラーという言葉ですぐ入部しようかと思ったが、考えてみればさぼりたい時人数が少ないという事になれば勝手にさぼれない。さぼれない倶楽部はやはり嫌だと思い入部を断念した。今考えると何と弱腰だったのだろうと反省している。

 それから50年もバスケットはしたことがない。しかし体の中ではいつもバスケの血が騒ぐ。テレビで米国のプロバスケットチームの試合を見ていると自分がやっているような気になる。ましてやダンクシュート(ゴールポストの上からボールを叩き込むシュート)などを見ると私もあれをやってみたいと思う。

 マジックジョンソンやマイケルジョーダンなどの超スーパースターのプレーを見ていると米国で何故バスケットが一番人気のあるスポーツかが分かる。それはまるで空を飛ぶ戦闘機なのである。それともう一つバスケの魅力はバレーボールなどと違ってシュートが決まったからと言って抱き合ったりしない。シュートした瞬間にもう次の動作に移る。これが実に格好良いのだ。

 バスケットはバスケットボールとリングがあればどこででもすることが出来る。しかしわざわざ体育館に行ってやる時間もとれない。最近では公園などに設置されているところも増えた。一ッ葉ビーチに行くとバスケットコートがあり、そこで若者達がバスケットを楽しんでいる。まつり宮崎でも、高千穂通りの道路上に臨時のコートが出来、試合が行われていた。

 今でもバスケットをしたいと思う。しかし残念ながら体が動かない。せいぜいTVでバスケットゲームを観て楽しむ位だ。今やバスケット大好き少年はバスケット大好き老人になってしまった。