人前で話をするのが苦手と思っている人は多い。「人から頼まれてスピーチや挨拶をするのはどうも」という人が殆どだろう。私もそうだ。

 そこでいつ頼まれても良いように、自分なりに方法を考えるようにした。

①まず慣れることである。出来たら毎日1分間スピーチをしてみる。私の所で

 は、仕事を始める前に従業員が必ず皆の前で1分間スピーチをする。お陰で少

 しは従業員も私も人前で喋る要領というものを掴んだような気がする。

②自己紹介する時はインパクトが残るようにする。私の場合「当年とって60歳

 の丑年生まれです」と紹介する。すると会場にいる人達は、あのハゲ頭の人が

 60代なんてありえないという顔をする。それを確かめて「えー実は当年とっ

 てですから。『十』を取っての歳で、今はもう70になります。

 「名前は谷口二郎」といいます。生まれつき痔の方はなかったですか。友人か

 ら『ジロー、ジロー』と言われてきたので最近は本当に『痔瘻』になってしま

 いました。」と自己紹介すると、もうそれだけで「ジロー」という名前を憶え

 てもらえる。

③最初の3分間が勝負。聞いている方は話す人がどんな人なのかと興味を持っ

 ている。3分間の間に1回でもどっと笑いが入るともうそれだけでずっと聞

 きたいという心境になる。

④話の内容は起承転結というパターンを頭の中で考え、それぞれの時間を頭の

 中で計算しておく。

⑤突然の指名にも対応が出来るように、パーティなどでは会場で気が付いたこ

 と、その主催者をキーワードしたネタを考え、メモしておく。

⑥前に立つ前に、集まっている人の年齢、性別、職業、共通の趣味などを大まか

 に把握しておく。

⑦普段から新聞記事をジャンル分けしてスクラップを作り、今の時代の話題、キ

 ーワードをウィークリーで知っておくこと。その日のトップニュースを知っ

 ておくことも大事。

⑧原稿を棒読みしない。そんな話など誰も耳を傾けない。やはり自分の言葉で集

 まった人の顔を見ながら話す。

⑨分かりやすい言葉で、誰にでも理解できる話題を、自分の経験したことを具体

 的にユーモアを交えてゆっくり話す。

⑩テレビのCMの間と同じように、15分位喋ったら話題をちょっと変える。そ

 の際、テ(天気)キ(気候)ド(道楽)ニ(ニュース)セ(セックス)イ(田

 舎)リ(旅行)ス(スポーツ)べ(勉強)キ(ギャンブル)などをちょっとメ

 モして話題にすると良い。

 とにかく失敗を恐れずに、頼まれたら喜んで練習と思ってスピーチや挨拶をすること。急には中々難しいが、努力すればきっと出来るようになる。まずはやってみることだ。