最近は空前のペットブームだそうだ。それは犬や猫のように昔からあるようなありふれたペットではなく、初めて聞く動物の名前も多い。

イタチ科のフェレット、小型カンガルーのワラビ、ロボロスキーハムスターなど殆どの人が初めて聞く名前であるに違いない。それらは値段も手頃で1万円前後、毎年売り上げを延ばしているという。

 何故このような動物達が好まれるのであろう。それはまず犬はアパートやマンションでは中々飼いにくい。いや、ほとんど飼えないのが実状である。しかし中には小型犬などを内緒で飼っているケースもある。だが夜中などに甲高い声で鳴かれることもあり、回りへの気配りも大変である。血統書付きが多く、餌代もバカにならない。

 何年前までは熱帯魚ブームだった。色とりどりの熱帯魚を大きな水槽に入れて楽しむのがトレンディだった。鳴く訳でも餌代がかさむ訳でもなし。ところが熱帯魚というのは飼ってみると中々大変だ。水温調整するサーモスタットが故障でもすれば、水温は下がりすぐに死ぬ。水が汚れるのでいつも水を入れ替えなくてはならない。2,3日家を空けることさえ出来ないのだ。しかも伝染病でバタバタと死んだりする。一匹何千円もするのである。見た目は優雅ではあるが何々気を使わなくてはならないのだ。

 最近のペットの特徴がある。まず回りにうるさくないこと。回りに迷惑に迷惑をかけるような鳴声だと気を使ってストレスが溜まる。夜行性も特徴の一つ。昼間は大人しくしていても飼い主が帰ってくる時間帯になると元気よく動き回る夜行性の動物が好かれる。臭いがないことも重要なポイント、動物は当然ながら排泄する。あるいは動物の元々の臭いがあり、それが部屋に充満したりしては困る。排泄の躾をしなくても良いのも大切な要素だ。

 最近ではペットとは呼ばずに「コンパニオンアニマル(伴侶動物)」と呼ぶそうだ。自宅だけではなく会社まで連れていき、机の下で飼っているOLもいる。ペットを通じて多くの人とのコミュケーションにも役立つし、自慢も出来るので一石二鳥という訳だ。

 ペットというより自分の恋人、赤ちゃん、話し相手という関係に近い。愛すると同時に愛されているという感覚も持てるのが人気の秘密だ。その為には小さくて、可愛くて、静かで、手が掛からず、抱くと暖かいという共通点が必要だ。今人気のコンパニオンアニマルは全てこの共通点を満たしている。

 動物を飼うことによって寂しさやストレスを解消し長生き出来るというデーターがある。ペットからコンパニオンアニマルへ、人間と動物の新しい関係を築く時代がやってくるのであろうか。そして人間同士の関係の希薄化で動物が恋人や子ども代わりという関係に変わっていくのだろうか。

 因みに末娘は大の動物好き。それもトカゲやヘビ類が好きで、ヒョウモントカゲ、アオジタトカゲ、ガンスタマゴヘビ、カナヘビなど、トータルで25匹今まで飼っていたという。それらの動物が元気がなくなったりすると、心配で心配でずっとつきっきりだという。ペットというよりまるで自分の子どものように育てている。飼われているペット達もきっと幸せなことだろう。