高校時代からバンドを組んでいて、ビートルズからポピュラー、フォークまで色々なジャンルの曲を楽しんできた。初めて買ったギターは、東京池袋の黒沢楽器店という店。ギター専門店で沢山のギターが置いてあり、その中の一台のクラシックギターを買った。それはもうボロボロになっているが、今でも部屋に置いてある。50年以上も経っているので、残念ながらさすがに音色も昔ほどではない。それから今までに7本ほどギターを買った。
いわゆるフォークギターと呼ばれるのが3台、アコースティックギターが1台、エレキギターが1台、12弦ギターが1台である。
最後に買ったのが5年前、1980年製のヤマハのフォークギターだ。新品で買うと10万円位するのだが、中古だったので、その半分位の値段だった。それまでのギターはいわゆる安物であったので、弾きにくかったのだが、さすがにこれ位の値段だと弾きやすい。それを買い求めた時、何十万もするギターを試弾させてもらったが、さすがに高いのは手にフィットして弾きやすいものだ。
今でも時々ギターを抱えて歌っている。先日『カスミ』というスナックに寄った。ここは『さだまさし』が宮崎に来た時、必ず立ち寄る店なのだが、壁にギターが2本ぶら下がっていて、自由に弾いても良いようになっている。店に入ったら、お客さんの1人がギターを抱えて弾いていた。これ幸いともう1本のギターを壁から外してもらい、一緒に弾き始めた。こういう店に入ると、ギターを離したくない。2時間近く2人でセッションをした。大きな声で歌い、他のお客には大迷惑なのだが、ここのママはとても理解がある。もう80代だというのに、まだまだ元気バリバリである。
先日、久しぶりに楽器屋に寄り、ギターを手にした。アンプ内蔵のアコースティックギターである。アンプ内蔵なので、そのままでエレキの音が出る。但し、普通のギターに比べると2~3倍の重さがあるのが欠点だ。ついでにギターを弾く時に使うピックを買う事にした。ギターを弾く時はピックが必要なのだが、楽器店にわざわざピックを買いに行くのも面倒なので、要らなくなったキャッシュカードなどをハサミで切り刻み、それをピックの形にして使っていた。まぁこれでも使えない事はないのだが、多少使いづらい。
ピックのコーナーに行くと、100種類位あって大きく分けてフォーク専用と、エレキ専用に分けられている。一般的な形は三角おむすび形をしているのだが、エレキ用はとんがったおむすび型をしている。硬さも大きく分けてThin、Midium、Hardと分かれていて好みによって使う。私はThinと薄目で軟らかいのが弾きやすいので好きだ。色も一般的には鼈甲(べっこう)色なのであるが、白や赤、中には『合格祈願』なんてプリントした物もある。
演奏中ピックは勢い余って飛んでいき、無くなってしまうので、ライブなどでは予備のピックが必ずギターの調弦部に挟んである。それでも足らなくなるので、マイクスタンドに10枚以上も挟んでいるミュージシャンもいる。とにかくピックがないとギターは弾けないので、大切なことだ。因みに今回はThin(薄目)の鼈甲柄を4枚購入した。値段は1枚100円の一番安いものであるが、初心者にはこれで十分だ。
暫くは部屋に閉じこもりギター片手に歌おう。自信がつけばそのうちにストリートミュージシャンへ…。古稀を過ぎても夢は大きく羽ばたいていく。
因みに先日古稀祝いの二次会をライブハウスで行った。どさくさに紛れてギターを一本借り歌った。曲は井上陽水の『傘がない』。気持ち良く歌えたのだが、誰も聴いてなかった。とても残念な気持ちで会場を後にした。