今まで元気だったのは中年のおばちゃんだった。
いわゆる「オバタリアン」と呼ばれ自己主張が強く、他人の目を気にしない、
自分勝手、気まま。まさに「亭主元気で留守が良い」という風潮そのもので、
決して良いイメージがなかった。
だが最近元気なのは若い女性である。
一昔前まで、女性はまだ社会進出出来る時代ではなく、働く女性はごくわずかであった。
しかしその分、女性が仕事をしている姿はいつも社会現象になった。
例えば、バスに乗っている車掌は『バスガール』。
電話交換手は『ハローガール』。洋品店の売り子は『マネキンガール』。
エレベーターに乗っている案内娘は『エレベーターガール』。
飛行機に乗っているフライトアテンダント(昔で言うスチュワーデス)は『エアガール』と呼ばれた。
その後66年資生堂のCMでデビューしたのが『キャンペンガール』の「前田美波里」。
駅などに貼ってあったポスターは、あっと言う間に剥がされすぐに無くなった。
その後「11PM」という番組などで始まったのが『マスコットガール』。
その後「ガール」がなまったのが「ギャル」。
バブル時代は「ジュリアナ東京」などのディスコの店のお立ち台で、
体のラインの出るピチッとした服を着た女性がセンスを手にして踊る『ボディコンギャル』。
電車内でスポーツ新聞を広げ、ドリンク剤を一気に飲みほす中年男子のような行動をする『おやじギャル』。
安室奈美恵のファッションを真似るいわゆる「アムラー」と呼ばれた『コギャル』。
その後、これは一体何だという位顔中ガングロにして、ピンクのリップクリームを塗った『ヤマンバギャル』。
実に色々なファッションで、世の中の男性を楽しませてくれた。
最近又そういう女性に変化が見えて来たという。
街ではよく見掛けるのが一眼レフカメラをぶら下げている女性。
いわゆる『写ガール』。デジタルカメラがコンパクトになり、
一眼レフでも片手で持てるようになると、一気に人気が広がった。
ケイタイで写メールを撮るのは当り前になりつつある。その被写体になるのは、身近にあるもの。
例えば旅景色、食べた料理、友人、家族などである。
それはまるで絵日記と呼ばれるものかもしれない。
私は釣りが好きで、よく釣りの番組や記事を見るのだが、最近は女性レポーターが多い。
それもカラフルなファッションを身にまとい、華麗なテクニックを披露する。
いわゆる『釣りガール』と呼ばれる「釣女」が増えている。
海だけでなく山に登る若い女性も増えている。
いわゆる『山ガール』『森ガール』と呼ばれる人達だ。
昔はむさ苦しい部屋で難しい顔をしてやっていた将棋。
中高年のおじさんのイメージだが、若手のプロ『棋士ガール』も増え、
若い女性も酒と食事をしながら将棋を楽しむ「将棋カフェ」が人気だと言う。
鉄道ファンも昔から男性オンリーの趣味であったが、
今や「鉄子」と呼ばれる『鉄ガール』が増えているという。
これは旅をしながら、景色やグルメなどを楽しもうというもので、
まさに女性にはうってつけである。
その他にも『寺ガール』と呼ばれる霊感スポットを巡るのを趣味にしたり、
ラーメン屋をはしごし、それを写真に撮りブログやツイッターに利用する『麺ガール』。
コケ玉ブームの影響で『コケガール』と呼ばれる女性もいる。
いろんなコケを部屋の中に置き、それをそっと見て楽しむのだそうだ。
見ているだけで癒しを感じるという。
何故これまでに、女性が一つの物に集中し興味を持つようになったのであろうか。
それは日本人というのは、元来人の目を気にする民族であった。
その為、変な趣味を持っていると、ツマハジキされ、変人扱いされていた。
つまり仲間はずれにされていたのである。
それがケイタイ、パソコンなどの普及によりバリアーが取り除かれたのである。
それともう一つ。結婚はしたいが気に入った相手が中々見つからない。
それならば、彼の代りに自分がはまっている好きなものを恋人代わりにしたいと考えはじめているのかもしれない。
とすると益々結婚する女性は減り、少子化が急速に進んでいくだろう。
もしかしたら、それは日本を危うくするかもしれない。
たかが『○○ガール』。されど『△△ガール』なのである。