当院は入院設備があるので、夜勤の勤務表を組まなくてはならない。夜勤は夕方5時から朝9時までである。お産や急患は昼夜問わず来院するので、夜勤者は充分に体調管理して来なくてはならない。またお産の人が入院してくると何が起きるか分からないので緊張の連続である。前月早々には夜勤勤務を組まないといけない。スタッフの都合をカレンダーに書いてもらい、それを考慮しながら組んでいく。
先月6月も初旬に7月の夜勤の勤務表を作った。それを全員に見てもらいどうしても都合が悪い日はお互いに変わってもらう。だいたい月に4、5日のペースでの夜勤となる。
勤務表が組まれるとそれをカレンダーに記入していく。いつものようにそうした。するとそれから暫くしてスタッフが7月はオリンピックが開催されるのでいつもとは違う日が祭日になるというのだ。
「そんなことはないだろう。何もそんなの話題にもなっていないし聞いたこともない」と言うとカレンダーを持ってきて、今年は7月19日の海の日の祭日がなくなり、その代わりに7月22日が海の日、7月23日がスポーツの日だというのだ。そう言われても院内のカレンダーにはそう書いていない。しかしスマホで調べるとその通りである。
こりゃ一大事。夜勤の勤務を組み直さなくてはいけない。もうすぐオリンピックが始まるのに話題は無観客にするかどうかとか、選手のコロナ対策はどうするのか、医療体制はということばかり。
オリンピックの開催日がいつかというのをすっかり忘れていた。しかも休日になるなんて思いもよらなかった。休日が変更になれば当然勤務表も変わる。夜勤はそのままでも良いのだが、日勤が休日制になるので人を減らし、休日ではなくなった日は日勤者を増やさなくてはならない。スタッフに言われなければ気付かなかった。
慌てて家内に報告すると家内は「そんなの当たり前じゃないの、何であなた知らなかったの?」と責められた。そう言われても何故休日が変わったのかを知っているのかを尋ねると、壁に掛かっているカレンダーを指差し「こんな風になっているでしょ!」そのカレンダーを見ると確かにスタッフの言うようになっていた。
私の使っているカレンダーはオリンピックのスケジュールが決まる前に作られたものらしい。因みにいくつかのカレンダーをチェックしたが、殆どがいつも通りの休日のカレンダーになっていた。
考えてみれば開幕まであと10日。一体オリンピックは開催されるのか?今も半信半疑である。