毎年、秋に父方の『イトコ会』を開く。父は8人兄弟である。
その長男が10人、次男が8人、三男が私の父で8人、四男が4人、五男が4人、六男が1人、七男が2人、
長女が8人と合計45人も居るのである。上の方は80歳を超えていて、下の方も50歳を超えている。
私はイトコの中では下から4番目で若い方であるが、それでも60歳。ほとんどの方がリタイアしている。
毎年、兄弟順に幹事をしていて、今年は私が幹事になった。まずその開催日を決めなくてはならない。
10月に予定していたが、遠くから来る人も居るので、2ヶ月くらいは時間の余裕をみて欲しいという事で、
11月15日にした。場所はどこにするか悩んだが、今年は青島にある『カフェ ジール』という所で行なう事にした。
ここは青島の手前から山の方へ約5分入った小高い丘にあり、遠くに日向灘も眺められるいいロケーションの場所だ。
無農薬で作られた野菜や果物がメニューに並ぶ、今流行のオーガニックレストランなのである。
横にある温室にはいろんな熱帯の植物が植えてあり、珍しい植物を観賞する事が出来る。広い庭もあるので、
小さな子供連れの方でも楽しめるのでいいと思ったのだ。
さて、まず案内状を出さなくてはいけない。名簿が作ってあるので、それを見ながらの作業である。
イトコ会と言ってもその家族、子供達、孫達も一緒に来るので、その数は50人近くにもなる。往復ハガキに日時、
場所、会費、出欠の有無を印刷して発送した。それをやってくれたのは家内である。
血は繋がっていなくても知っているイトコも沢山いるが、当然知らない人も居るので大変だ。
何せ日本全国にイトコは散らばっているので、中には来られない人もいる。
一番心配だったのは当日の天気である。ずっと雨が続いていたので、もしかしたら雨かと思ったからだ。
当日の2~3日前は大雨が降り、近くの高架橋で車が水没し、列車もストップしたというのだから余計に心配だった。
しかし当日は日本晴れ。それだけでも良かったと胸をなでおろした。
12時から会が始まった。よくお会いする人もいるが、中には40年ぶりくらいに会う人もいる。
それでも全員の顔をよく見ると、みんなよく似ている。うちの家内などはあまりに似ているので、頭が混乱しそうだと言う。
そりゃそうだ。このイトコ達はおじいちゃん、おばあちゃんの4分の1のDNAを持っているのだから、
顔つきだけでなく表情やしぐさが似ているのも当たり前なのだ。
私が見てもそう思うのだから、家内がビックリするのも無理はない。
今回参加したのはイトコの子供や孫をいれて50人近く。それぞれ自己紹介したり、近況報告をしたり、
自分で作った食べ物を配ったり、ピアノを弾いたり、歌を歌ったりと和気藹々の時間を過ごした。
名簿と同時に家系図も配った。イトコから4世代前の人から載っている。
140~150年前の1組のカップルから子供が9人、その孫が45人、そのひ孫、玄孫まで入れると
おそらく200人以上がその命のバトンタッチをしているのではないだろうか。そう考えると、我ながら産婦人科医として
赤ちゃんを取り上げるというのはすごい仕事と言える。
いや、子孫へのバトンタッチをさせていただいているのだと改めて感謝している。
そしてしみじみ産婦人科医になって良かったと思えた1日だった。