そろそろ年末である。来年の準備をしなくてはならない。まず年賀状。当院の年賀状は手が凝っていると評判なのだが、それだけに準備が大変である。9月頃からまず私がデザインを考える。
来年の干支は牛だ。いろんなデザイン帳やイラストを見てアイディアを練る。今回はいつも通り、動物の顔をデフォルメしたものの他に、乳牛のおっぱいのみを強調したデザインの2種類を作ってみた。それをスタッフ達に披露すると「あまりおっぱいを強調するとセクハラと言われるかもしれませんね」と脅されたので、結局今回も顔をデフォルメすることにした。
今年はネズミ年で、ネズミの顔をデフォルメしたら、みんなからそれはキツネですか?と大変不評だったので、顔もいくつかのパターンを考えてみた。まず牛の顔をいうのは四角い形だ。それもどちらかというと台形に近い。それに耳と角がついている。台形に切り、目と鼻に穴を空け、二通り試しに貼ってみた。それを多数決で決めようという訳だ。
私は第一案がいいと思ったが、みんなの意見は第二案がいいと言う。まぁ、みんながそういうのだからとその顔を選んだ。鼻の部分はそこに鼻輪をつけようと思い、近くの手芸店でピンクとグリーンの毛糸を買って来た。
次は背景である。今年はネズミとダークブルーの夜空だったのだが、今回は闘牛士の布のイメージで赤色にした。それも少し鮮やかな赤である。そう決まったのは10月末であった。それから材料を買いに行かなくてはならない。
顔の部分はいつも毎年リップルボードという凸凹した厚紙である。枚数は全部で1800枚。従業員が手分けして見本通りに切り抜く。そしてそれに毛糸の鼻輪を付けて、後は耳と角を貼り付ければ終わりである。それが出来上がったのが11月末。住所と名前と一言のコメントを書き入れて完成である。このペースからいくと、12月中旬には切手貼りも済み、すべて投函出来る見込みである。
当院の年賀状を楽しみにしている人も多い。中には神棚に飾る人もいるというから、作る方からすればこんなに幸せなことはない。苦労した甲斐があるというものだ。
それからもう1つ、カレンダー。10年以上も前から、ミッフィーが描いてある可愛らしいカレンダーの下に、当院のロゴマークを入れて印刷してもらっている。患者様や知人にあげたり配ったりしているが、これも好評で最近は是非当院のカレンダーが欲しいという人達から、まだ出来ないのかと催促がくるほどである。1年分の日付が51×36cm位の大きさのカレンダーに印刷されているので、壁に貼るには好都合だ。しかも可愛らしいミッフィーなので部屋もほんわかしたムードになるのであろう。最初の注文は200部だったのだが、今はそれでは足りないので、400部注文している。それでもすぐなくなる人気のカレンダーなのだ。
来年、私は還暦を迎える。そう年男なのだ。誕生日が来たら、赤いチャンチャンコを着せられたりするのだろうか。そんなことを考えながら年賀状を書いたり、カレンダーの準備をすることによって、すでに来年のことを頭の中に描いているのだ。そう、もうすっかり2009年モードに入っているのである。「来年こそはいい年になりますように・・・」と祈りながら今年の年末を過ごしている。