急に寒くなってきた。古稀を迎えかなり寒がりになってきている。小学生の時、制服のズボンは半ズボンだった。今に比べるとかなり寒かったように思う。例えば霜柱なんて毎日立っていて、その上をサクサクと歩くのが楽しみだった。又、通り道にある池は氷が張り、時にはその上に乗っても割れない位厚く張っていた時もあった。

 中学生になると長ズボンになったが、その頃から少しずつ寒がりになってきたような気がする。冬になるとズボン下を履いたりしていたが、それでも靴下など履いてなかった。中学3年生の時東京に転校した。東京は宮崎よりかなり寒かった。それでも朝礼の時、裸足で校庭に出た。回りを見回すと裸足は私だけで、全員靴下に靴を履いていた。そこで同級生から「あいつ頭がおかしいんじゃない」と言われた。

 ところが体育の時間の時、着替えるのを見ていると、都会っ子はズボン下は誰もはいていなかった。東京ではズボン下を「パッチ」と呼ぶのをその時初めて知った。パッチはおじさんのものであり、子供はパッチなどを履かないのが「イキ」だったのである。そこで私も「イキ」を通すことにしてパッチを履くのを止めたのである。

 しかし、パッチを履かなくなった分寒くて仕方ない。仕方ないので、母にシャツの下に20cm位の長さの布を縫いつけてもらった。それを着るとまるでミニスカートを履いているみたいに見えるので、同級生からは又奇異の目で見られていた。

 大学に入る頃になると、東京の寒さにだいぶ慣れていたが、寝る時スキマ風が入ってきて、特に鼻先が冷たい。そこで鼻の所に電気スタンドを持ってきてぶら下げて顔を暖めて寝ていた。ある日そのスタンドが落ちてきて、布団が焦げ、火事になりそうになったこともあった。(今考えると何という馬鹿な事をしていたんだろう)

 それから暫くはあまり寒いという思いをしたことがない。それは大学を卒業して九州に帰ってきたせいがあるかもしれない。只私の場合、部屋が寒ければ只暖めれば良いというものではない。天井から吹き出るような暖房は、頭だけがカッカとして足の方は冷たいということが起こる。県立宮崎病院の古い建物はストーブだったのだが、新しくなって全館暖房になってそういうことがしょっちゅう起こる。まるで更年期障害みたいな症状なのである。暫くは我慢していたが、我慢しきれなくなって開業を決意した。

 開業して気づいたことだが、足元さえ暖かければかなり寒さは防げ暖かいということだ。只問題は寝る時だ。吹き出してくる暖房だと空気が乾燥し、寝る時口が乾きすぐ目が覚める。そこでオイルファンヒーターを購入してみた。すると空気も乾燥せず実にゆったり眠れる。まるで夕日の当たった部屋で寝ているような気分だ。

 ところがあまり室温は上がらない。しかも寝ぞうの悪い私は、しょっちゅう布団を蹴とばしてしまい寒さで目が覚める。そこで先日ユニクロのセールに行ったらモコモコの暖かそうな服がある。これは良いとそれに決めた。値段も1着1290円。それにしても安い。まとめて色違い4着も買い求めた。これでゆったりと布団も気にせずにモコモコな上着を着て寝ることが出来る。まさにユニクロ様々である。