お産というのはいつあるか分からない。その為、家の中に居る時も、
電話は肌身離さず持っていないといけない。
もちろん食事をしている時も、ぐっすり眠っていても、テレビを見ている時も、
用を足している時も当然呼ばれる。
院内ではPHSをいつもポケットに忍ばせている。
外来や病棟や時には厨房にいても、いつでも呼び出されるように。
その為に1日中PHSの呼び出し音が鳴る。
呼ばれたら少なくとも30秒以内には呼ばれた所に駆けつけるようにしている。
以前はPHSがなくて、電話がかかって来る度に電話機まで走って行っていた。
受話器を取る前に切れたりして無駄足を踏んだ事もしょっちゅうだった。
しかしPHSではそういう事もない。そういう面では便利になった。
その他にもお風呂に入ってる時も呼ばれる。
そこでお風呂に入っている時は、自宅の電話の無線で繋がる子機を風呂場に持ち込む。
そのままでは水滴がついて壊れるので、パスタを入れる太さ10㎝、長さ30cm位の
プラスチックの筒状の入れ物に入れている。そしてフタをきっちりして、目の前に置くのだ。
ところが石鹸を使っていたりすると手がすべって開けられない事があるので、
すぐ開けられるように少しゆるくしておく。
昨日も、いつも通りそうした。いつもと違ったのは、目の前ではなく頭の所に置いた事だ。
最後に湯船につかって上がった。すると何とパスタ容器に入れた電話機が、
横に置いてあったバケツの中に落ちていたのでる。何かの拍子にそれに触れ、
そのままバケツの中に落ちたらしい。そしてたまたまそれに水が沢山入っていたのだ。
パスタ容器の中に入っていたので大丈夫かなと思って、それを慌てて拾ったが電話機は水没していた。
急いでタオルで拭き、ボタンを押してみたがウンともスンとも言わない。完全に使えなくなってしまった。
もしかして乾いたら使えるようになるかもとそれを日光浴させたが、やはり壊れているようだ。
きちんとフタをしていたらこんな事にならなかったのにと思っても、もう後の祭りである。
今度からは、こんなヘマはしないぞと心に誓いながら、それを修理に出した。