ようやく14冊目のエッセイ集『生きる力』が完成した。
本を作るのにはまず原稿を書かなくてはならない。
それが完成すると、出版社の担当の人にそれを手渡す。
そしてそれをまず活字にするのだ。それにだいたい1ヵ月近くかかる。
それが出来上がったらまず初校とし、それを自分で読み、
誤字脱字がないか確認する。それを又出版会社に返し、
1週間位してもう1度訂正箇所を打ち直す。
そして第二校が返って来る。
文章の無駄はないか、表現のおかしい所、
差別用語はないかなどチェックをし、又出版会社に戻す。
それが返って来るのが第三校で、ほぼ文章は完成し最終段階に入る。
 次に文字の形を選ぶ。今回は柔らかい印象をという事で丸文字にした。
年配の方にも読みやすいように、文字も太いものを使っている。
 これまでに出版した本は、柔らかい感じを出す為に、
文字に朱色や緑色を用いた事もあるが、
少し読み辛いという意見があった。
年配の方が老眼鏡で読むにはやはり黒い文字が読み易いのだ。
 次に表紙のデザイン。
これは今回は赤と黒で『生きる力』という大きな文字のデザインをと考えたのだが、
あまりにも過激すぎたので、出版会社の方に考えてもらった。
最終的には木の枝に家族の顔のイラスト、
バックの色は柔らかい感じの薄いグリーンという色に決定した。
 最後に帯である。これはこの本のPRには大切な部分である。
パッと見て内容が分からなくてはならない。
最終的には1週間位かけて最終チェックをしてようやく印刷という事になる。
今回約3カ月かかった。本には『まえがき』と『あとがき』というものが存在する。
今回は次のようにした。
『まえがき』
 私が投稿し始めたのは、20年以上も前からです。
投稿というのは必ず載るわけではなく、続いて載る事もあれば、
全く載らない事もあります。必ず載ると思っている人もいるのですが、
実際に載る確率は4割位です。つまり10回のうち6回は載らないという事になります。
せっかくいろいろ伝えたいのに載らないという事が続くと、
何とか思いを伝えたいという気になります。
 そこで毎週月曜日、宮崎日日新聞の『あどパーク』に
文章を載せる事にしました。それは平成18年5月1日から始まり、
もうすでに200回を超えました。いろんな方から「見てるよ」「楽しみにしてるよ」
「がんばってね」と言われるとこちらの方が勇気をもらいます。
それと同時にいろいろ私の方もネタ探しをしないといけなくなります。
それは大変ですが、自分自身を磨くいいチャンスです。
 今回は掲載されたうちの179編を本にまとめました。
どうぞお手に取ってご覧下さい。ハッピーな心になりますように…。
『あとがき』
 昭和60(1985)年8月26日。
宮崎市内の松橋で『谷口産婦人科医院』を開業しました。
35歳の時でした。その後、平成13(2001)年上野町に引っ越し、
今の『たにぐちレディースクリニック』が誕生しました。
平成22(2010)年8月で開業して25年が経ちました。
取り上げた赤ちゃん達も1万人近くになり、みんなスクスクと成長しています。
 今、この25年を振り返ってみると、本当に充実した25年でした。
元気な赤ちゃんの誕生に立ち合う度に、ワクワクとした気持ちになります。
そう、生まれてきた赤ちゃん達にパワーをもらう毎日です。
 それに自分のやりたいことをやり、本当に幸せな毎日です。
多くの同級生はリタイヤし、隠遁生活に入っていますが、
私には性に合いません。
 これからも今と同じようなライフスタイルで人生を大いに楽しみ
『生きている』という実感を味わいたい。
 それはまず周りの人に感謝することです。
いろんな人のお蔭で、今の自分が居ます。それに気付かされた25年でした。
 この本にはおもちゃ箱をひっくり返したようないろんなテーマの話が入っています。
その中の1つでもいいから、読者の皆様を勇気づけられるといいなと思っています。
『生きる力』はそんな本です。
 まさに本作りはエネルギーがいる。印刷して約1週間で本屋に並ぶ。
本体価格は1300円+消費税(65円)で1365円という事にした。
是非とも手に取って『生きる力』を読んで欲しい。
それを読んでハッピーな気持ちになりますように…。