生来、どうも貧乏性に出来ているらしい。よく言えば物を大切に大事に使う。使える物は使えるまで使うということなのだが…。
例えば付箋。カルテの表紙に『次回採血』とか『検診』などという付箋をよく貼って使う。付箋というのは1回使ったら使い捨てのはずなのだが、使い終わったものを剥がして机の横に貼っておく。そしてそれを資料コピーの時に、必要なページに挟む。その後ようやくそれを剥がすと役目御免ということになる。
失敗したコピーや要らなくなったFAX用紙は、それを箱に入れ保管し、白い面をメモ用紙として使う。その数は意外に多く、私用だけでなく病院用、自宅用として使うが、使い切れない位ある。自宅に持ち帰ると家内が「まだこんなに沢山あるわよ」と言うが、捨てる事が出来ないのだ。
新聞紙も必要な部分をまず蛍光ペンでしるしを付け切り抜く。切り抜かれた新聞は病院の厨房へ直行。それを揚げ物などをする時、床に敷いて使う為だ。新聞も全国紙2紙、地方紙1紙、計3紙を取っているのでその新聞もダンボール一杯になっている。
ティッシュ配りの人を見つけると、すぐ近寄りたくなり、何気なく受け取る。その後50m位行って引き返し、もう一個もらう。そうしないと何か損な気分になってしまうのだ。ティッシュを配る人も早く配り終わりたいので、嫌な顔もせず渡してくれる。先日のテレビで見たのだが、大阪のおばちゃん達はティッシュをもらう時「もっとちょうだい」と言って何個か余計にもらうらしい。だが私にはそこまではさすがに出来ない。
車に乗って50年になる。その間に10台以上の車を乗り継いできたが、6台目で初めて新車というものを買った。新車の臭いというのは、こんなもんなのだとその時初めて知り、嬉しかった事を憶えている。というのも中古はやはり前に乗っていた人の臭いというものが残っている。例えばタバコの臭いなどは、いくらクリーニングされた車でも残っているものだ。
スーパーなどに買い物に行く時も、まず見切り品コーナーに立ち寄る。どのスーパーでも売り場の端の方にそのようなコーナーが設けられてある。豆腐や納豆などはそのコーナーの定番である。半額で売っているのでお得だ。但し賞味期限は、その日かせいぜい次の日位までしかない。
スーパーに立ち寄る時間も閉店1時間前位が良い。先日その時間にスーパーの魚売り場に行った。すると2割引になっている。ここで慌てて買ってはいけない。買い物をする様なフリをして、売り場を一周する。すると店員が首から器械をぶら下げて登場する。いよいよ半額シールを貼ろうと準備をしているのだ。貼る時はさすがに人だかりになる。その時に行くのは何となく気恥ずかしいので、少し人が少なくなってから行く。先日は生サーモンと中トロが半額になっていて両方買っても1000円でお釣がきた。
果物コーナーの所にもそういうコーナーがある。昨日は柿4個で100円。もう真っ赤に熟していて、売り物にならない商品である。ところが私はこのまさに熟した柿が大好物である。その横にカボス4個50円。それももう真っ黄色になっていて、全く商品にならないものだ。それも買い求めた。帰って来てカボスは刺身に、柿はデザートにしてかぶりついた。どちらも美味しかった。
今『エコ』が叫ばれている。宮崎弁で言うと「あたれ~」。日本語で言うと「もったいない」の精神で、人から何と言われようと物を大切にしていきたい。