先日、三女が結婚することになった。しかし普通の結婚式、披露宴はしたくないという。それではどういう風にするのだろうと思っていたら、自分が卒園した幼稚園でしたいという。娘が卒園したのは「共愛幼稚園」というカトリックの幼稚園である。そこを式場にしたいと言うのだ。因みに私も60年前に卒園した。

 カトリックの幼稚園なので、一応教会の形式の幼稚園である。建物の中には礼拝堂があり、その前に50人も座れば一杯になる椅子が並んでいる。正面には十字架があり、パイプオルガンもあるこじんまりとした教会なのである。

 式の数日前にリハーサルがあった。父親の私と娘が手を組んで、新郎の方へ歩いて行くという結婚式では定番のパターンである。実際にやってみると、腕を組んで新郎の所に行くまで5秒もかからない。というのもその場所まで10mもないのだからそうなるのである。そこですり足をする様に歩幅を20cm位にすると何とか3分位で着く。これで何とか格好がつきそうである。

 娘達の希望でこじんまりとしたいというので、参列者も新郎、新婦の両親と兄弟のみである。総勢15名にも満たない本当に”ミニ結婚式”である。

 この幼稚園は出来て100年以上の歴史がある。だが今まで結婚式を挙げたカップルはいないという。

 式当日、白いウエディングドレスに身を包んだ娘はとても美しかった。ウエディングドレスは昨年結婚した妹と一緒に選んだものだ。色々と迷ったそうだが、真綿色のロングドレスでとてもお洒落だった。ロングドレスなので父親と腕を組んで歩く時に、裾を踏まないか心配であったが、何とか踏まないで済んだ。後から聞いた話だが、娘は踏まれないようになるべく私から離れて歩いたという。         

 これから色々なことが2人の前に待ち受けていることだろう。辛いことや悲しい事もあるかもしれない。どうか2人で幸せな人生を歩んで欲しい。父親としてそう願いながら教会を後にした。