谷口家の家訓の一つに「お宮参りはしない」というのがある。その理由はあまりにも祖父母に孫が多過ぎて、お宮参りをしようにも出来なかったというのが理由らしい。何せ私を含め50人近くも孫がいたのだから、2~3人同じ年齢ということも珍しくなく、もしお宮参りをしていたらそりゃ大変だったことだろう。だから私の子ども5人も一度もしたことがない。ということで、いつするのか、どうやってするのか、何処に行けば良いのかさっぱり分からない。

 さて、先日娘に待望の赤ちゃんが生まれ、お宮参りをしたいという。何年か前にお宮参りをしたはずなのに、手順をすっかり忘れている。そこで娘がインターネットで色々調べてくれた。すると、あるところがお宮参りの祝い着を貸してくれるというので、それも利用することにした。それでようやくお宮参りの準備が出来てほっとした。

 私の仕事は赤ちゃんを取り上げることである。無事に産まれた赤ちゃんは数日間入院し、毎朝回診の度にその様子を診る。その後1ヵ月検診で赤ちゃんをチェックする訳だが、その後はプツンと縁が切れてしまう。だからその後はどうしているのだろうと気にはなるのだが、知る術がないのだ。

 先日偶然に当院で生まれたお宮参り家族と神社ですれ違った。あぁ、こういう風にして当院で生まれて1ヵ月検診が終わると直ぐお宮参りに行くのだなと思うと感慨深かった。

 さて当日の4月8日はよく晴れて少し寒い日だった。孫を初めてチャイルドシートに乗せ出発。行先は宮崎神宮。孫はスヤスヤと眠りっぱなしである。我々に気を遣っているのだろうか。神社の前で写真を撮り、お賽銭を入れてスクスクと育つように御祈りをした。

 日本ではお宮参りから始まり、生後100日頃に行うお食い初め、1歳の誕生日に行う餅踏みなど色々な赤ちゃん行事がある。それは大事な大事な赤ちゃんがスクスクと育つように仕組まれた行事なのである。これからもずっと続くことだろう。日本人に生まれて良かったと思う瞬間である。

 因みに谷口家のその他の家訓。『お中元、お歳暮はしない。』『お見送りする時は、姿が見えなくなるまで見送る。』『モノ、手紙を貰ったらその日のうちに礼状を出す。』『政治家にならない。』『お年玉は上げない。貰わない。』などがある。