桜の季節になった。日本全国各地から桜の便りが届く。宮崎は高知に続いて2番目に早く開花宣言をした。標本木というものが数輪咲くと開花と判断される。それから1週間もすると満開になると言われている。今年は1週間位開花宣言が早かった。南の方は早く咲くが、北海道などは4月下旬である。いかに日本列島が南北に長いのか

分かる。

 当院の表玄関の所に孫が小学校に入学した時に植えた桜の木がある。それは植木市で息子がクジを引いたら見事に当たり、桜の苗を持ち帰ってきたものだ。そのままでは育たないかもしれないと思い、わざわざ植木職人さんに植えるのをお願いした。植樹される桜は50cmもない小木なのに、それを支える添え木はバット位の太さのあるもので、見た時はそのバランスがあまりにも不釣り合いで笑ってしまった。

 それから3年目に小さな桜の花が咲いた。それから木はどんどん伸び始め、今や私の背丈をとっくに越している。桜の木は添え木よりも太くなり、逞しくなって春になる無数の花を咲かせる。

 子どもの色々な記念に植える木は、子どもと同じように成長していく。親はその花が咲く季節になると植えた時を想いだす。勿論本人も大きくなった木を仰ぎ見て本人以上の成長に驚く。

 裏玄関には白木蘭の木がある。これは兄が大学に入った時に父が植えられたものである。5人目の子どもで初めての男の子だったので、父も気合が入ったのだろう。桜の咲く1~2週間前に咲く。その白い花が青い空に広がってとても綺麗だ。

 私の木と言えば、8番目に生まれてきたので、父もすっかり植えることなど忘れてしまったらしく、私のは無い。しかし私が小さい時に父が植えた椿は大きくなり、毎年綺麗な花を咲かせてくれる。私はこの椿が父から私へのプレゼントと勝手に考え、毎日その木を見上げ父を偲んでいる。

 子どもにとって親が植えてくれた木は、親が亡くなっても親代わりをしてくれる。そう、親は子どもの為に木を植えるのかもしれない。