食べる事や飲む事の好きな私は、居酒屋やバーを見つけるとそこに入ってみたくなる。そしていろんな物を飲んだり食べたりしたくなるのだ。
最近凝っているのが、いろんなウィスキーが置かれたバーだ。ウィスキーは大きく分けてモルトウィスキーとブレンデッドウィスキーの2種類がある。モルトウィスキーとは大麦(モルト)が原料で蒸留器で蒸留し、樽で3年以上熟成したものである。その中でシングルモルトとは、同じウィスキー製造所で造られたものである。
一方ブレンデッドウィスキーは、モルトウィスキーにグレンウィスキーという穏やかなウィスキーをブレンドしたものである。当りはずれのない、どちらかというと万人向けの味に仕上げられ、風味もまろやかでくせのないウィスキーである。つまりシングルモルトはウィスキーの原点であり、一般的に飲まれるブレンテッドウィスキーのもとになるものである。
シングルモルトは蒸留所、蒸留年度、熟成年数、熟成場所、熟成樽などによって味が全く違う。だから1本1本に個性が強く、人によって好き嫌いもはっきりしている。シングルモルトの多くはスコットランドで作られる。その地方は6つの蒸留所に分かれ、それぞれの個性を競い合っている。蒸留所の半数が集中しているスペイサイドは『モルトの聖地』と言われ、華やかな香りとバランスの良い飲み口で知られている。これに対してアイラ島のモルトは独特の燻製臭さ、消毒で用いられるヨードのような匂い、ピート(大麦の発芽を止め、香り付けに焚く泥炭)香などの強烈で個性的な味である。
 シングルモルトは生産地の他に、ウィスキーの風味をつける為に使う熟成に用いる樽も味を大きく左右する。例えばバーボンウィスキーの熟成に用いられているバーボン・カスクや、シェリー酒を熟成させたシェリー・バットなどが有名である。バーボン樽で熟成させたモルトウィスキーを熟成の最後にシェリー樽に移したものや、マデラ・コニャック・ワインなどの熟成するいろんな樽を使うことによってその味の違いがはっきりと出る。
 次にウィスキーの味見、つまりテイスティングだが、はじめに口に含むのを『アタック』飲み込む際に鼻に抜ける感覚を『ノーズ フィニッシュ』その後飲み込んだ時の余韻を『アフター』と呼ぶ。
 さて一方、ワインを飲むにはワイングラスが必要であるが、グラスにいろんな種類があるのを御存知だろうか。ブドウの品種や作り方によってワインも又個性がそれぞれである。その味を的確に伝える為に、その土地のワインの味によってワイングラスの形が変わる。というのは人間の舌は大きく3つの味覚部分に分かれている。奥の方は渋みや苦味、両側は酸味、先端は甘味を感じるのである。その為にそのワインの特徴の味を強調する為にワイングラスの形は違うのだ。
 例えばボルドーワインを飲むグラスは、ワインを飲んだ時まず舌の中央より後ろに流れ込み、前に戻りながら口全体に広がるように作られている。だからボルドーのしっかりした渋みや酸味、甘味を順序だって味わえる。
 一方、ブルゴーニュグラスはグラスの入口の部分が広がり、ワインが舌の先に流れ込むようになっている。フルーティな甘味や酸味を統一に感じ、それから渋みをバランスよく引き出すように作られている。いずれも赤ワイン用グラスだが、その形によって一番美味しさを引き出せるように作っているのである。もちろん白ワインの場合もシャンパングラスなどに用いられるフルートグラス、球形に近い形をしたモンラッシェグラスなどもあり、その味を最大限に引き出せるようになっている。
 つまり何気なく飲んでいるウィスキーやワインであるが、それが作られるまでにはいろんな苦労や隠し味というものがある。それが舌で最大限に引き出されることによって、その飲みもの達はその美味しさや癖を楽しむという目的を達することが出来るのだ。