最近、いろんな会でピアノ演奏を頼まれることが増えてきた。先日近くの子供センターで『しゃべり場』という小さな会が開かれた。自宅周辺の昔の様子、昔の生活などをお年寄りを中心にお話してもらおうという企画である。30人も入るといっぱいになる小さな会場に立ち見の人までいて熱気に包まれていた。
まず当時の風景のスライドを何枚か見た。私が生まれたのが昭和24年(1949)であるが、当時道路はまだ舗装されておらず、風が吹くと土ぼこりが舞い、雨が降ると至る所に水溜りが出来た。冬は寒く厚さ1cm位の氷が庭の池に張り、夏は蚊が多く寝る時は蚊帳を吊って寝ていた。台風の時などはものすごい風のお陰で屋根瓦やトタン板がよく飛んだ。
テレビなどはなく唯一の楽しみはラジオ。それも今と比べると雑音が多く、よく聴き取れない事も多かった。
信号などもなく、デパート前や市役所前には直径20cm位の円形のコンクリートで作られたロータリーが設けられ、その周りを右回りに車が回ることで信号の役割をしていた。バスには冷房などはなく、夏など窓を開けて走った。すると前の車が舞い上げたジャリ道の砂ぼこりが車の中に入ってくるので、前に車が走っていると窓を閉めて走らなくてはならなかった。そんなスライドを見てると、本当に懐かしい思いで一杯になった。
次に当時を生きていた70~80代の人達の話が始まった。本当に私がまだ生まれる前なので、そんな時代だったのかと改めてビックリした。私の父、母が生きてると100歳前後なので父母も同じ様な生活をしていたんだと思うと涙が出そうになった。それが終わると私の出番である。
『世は歌につれ、歌は世につれ』というタイトルで約30分のトークとピアノ演奏。どんな人が集まるのか分からないので、主催者の人に尋ねたら年配の方が中心で中には痴呆の人や車イスの方もみえるという。そういう人達の歌など知らないので最初は『我は海の子』などの昭和唱歌などを考えていた。
その他に戦争なども体験しているので軍歌などはとも思ったりした。しかし石原裕次郎などもいいかなとも思い譜面を探してみると『ブランデーグラス』などの何曲かは見つかったが、実際ほとんど私自身が知らず没になった。困った・・・どんな曲を選べばいいのだろう。当日開き直りジャズスタンダードナンバーをやろうと楽譜を用意して行った。
ピアノの前に座ってちょっと考え直した。ジャズだけではなくて他のもやろうと。まず1曲目は『こんにちは赤ちゃん』自分の仕事でもあり来られた皆さんも知っていると判断したからである。2曲目はジャズの名曲『サランドール』、3曲目は『津軽海峡冬景色』、4曲目は『星に願いを』。30分は思っていたよりあっという間に終わった。うまくいくか心配していたけど自分なりに成功したと思った。
又、先日は結婚式の披露宴で弾いて欲しいと言われた。本人達のリクエストを聞き、その中から演奏する事にした。これも好評であった。これからもいろんな人からパーティの時、ピアノお願いしますと頼まれたら喜んで弾く事にしよう。何せピアノを弾きたくてたまらないのだから断る理由はない。